Ayame X1-R
このように電流正帰還のヴァージョン2なのでもしかすると発振するかもしれません。
組んでみたが、負性インピーダンスにはならないので基本から調べて行くことにした。
あやめの回路を組む。ゲインは13倍。Zo=0.39Ω。このゲイン13倍というのが負性インピーダンスになら
ない原因である可能性がある。
次にデータシートにある正相アンプの回路を調べる。ゲインは91倍。Zo=0.78Ω。
Bypassピンに4.7μFをつなぐ方法も試す。ゲインは96倍。
Zo=0.66Ω。
素の正相アンプに電流正帰還を施したもの。昔やったそのままである。
これは-6Ωまでゆくが、その位だと音質は激変してしまう。-2.9Ωくらいに調整する。
正帰還がかかっているだけあって、歪率はよくない。ゲインは140倍。
あやめの特性はさすがである。
このようにしたら負性インピーダンスアンプになった。発振していないかどうかは、AMラジオ
を側におきアンプ電源をオンオフして確かめる。あるいは異常発熱があれば発振である。
電源はICアンプにしては超弩級のものを採用。
Zo=-2.9Ωなので低域特性フラットにしてある普通のスピーカーではまずよろしくない。ここでは
低域ふくらみぎみのバスレフが最適ということになる。具体的に言うと、バスレフの箱を密閉とみな
したとき、システムのQが大体0.57ならば電磁制動アンプでOK、0.57よりもかなり大きければ負性
インピーダンスアンプが必要ということになる。
両ch作り音楽を聴いていると、やはり音が悪い気がする。電流正帰還をすこし弱めて-1.5Ω
にすると、落着いた透明な音が得られる。
調整は負荷抵抗切り替え法でボリュ−ム位置ごとに調べて行くしかないが、Circuit
Makerでこのような電圧演算回路を作っておくと便利である。
パフォーマンスを見ることにした。MFB-20を用いて、過渡特性とfsにおけるQを見る。
MFBがかかったことを確認するには最低限これだけ見ておけば良い。速度特性の見れるMFB-20が
なくとも電流電圧解析、コサイン波解析をやればなんとかなるが精度はこれに劣る。
Qを見ておけば実は波形も見る必要がない(波形はQだけで決まる)のだが、あったほうが説得力が増す。
(ということですね。)
電流・電圧解析
FE103Eペリスコープはこのような特性になる。密閉にしてもそれほど変わらないので、
このまま測定した。アンプはAYAME X1-Rだとエラーが出るのでA-01で調べた。Qts=1.24と高い
数値になっている。背圧のかかる小型バスレフの宿命のようなものかもしれない。とにかくここで
電磁制動が最大にかかるのでfs=200Hzで見ておく。
変化はわずかのように見えるが第1波の立ち上がり電圧制御、コーンの自由振動に対する電圧制御が
明らかに読み取れる。
このくらい違うと音質では明らかに違っているものである。
Tiffany 7を聴いたばかりで比較すると、パートの明瞭度、鮮度はこちらが上のようである。