Λ式音響拡声器計測法 平成16年7月
目次
其の一
インピーダンス特性A
其のニ
インピーダンス特性B
其の三
容積付加テスト
其の四
セパレート&バースト法
其の五
電流・電圧解析
其の六
コサイン波解析
其の七
パワー崩壊テスト
其の八
速度解析
附録
テストディスクの目次
其ノ一
インピーダンス特性A
目的 Qmsノ実測
出力インピーダンス1.7kΩノ電流出力増幅器ニテ周波数掃引シ電圧ヲ読取ル。若シ無ケレバ1kΩノ抵抗器ヲ介シテ
尋常ナル増幅器ニテ行フ。100Ω位デアルト誤差大ナルベシ。
実例
中心周波数ヲ読ミ取リ、ソレヨリ−3dBノ周波数ヲ読取リタレバ次ノ式ニテ算出ス。
其のニ
インピーダンス特性B
このようにして電流を読み取る。インピーダンスの上昇は電流の減少として現われる。
current
レヴェルの差(12.4dB)を真値になおすと、
20 log x = 12.4 x=4.17
よって、 Rp=34Ω
Re=6.6Ωとすると、
この式を用いると、負性インピーダンスアンプで駆動したときの見かけ上のQtsが計算できる。
Zo=-0.3Ωのとき
Qts=0.6
バスレフ箱の働きも調べられる。Zoが大きいとバスレフの動作もおかしくなっているので、
こちらで調べる。
Zo=0Ω
負性インピーダンスのときの動作も見ることができる。
Zo=-3Ω
レヴェル差が−3.3dBなので、その真値0.68より、
foc1における速度ピークのQは、0.68倍に減じていると推測される。
ただしそのQ自体はこの計測ではわからない。それを知るには其ノ八で述べる速度解析が必要になる。
其の三
容積付加テスト
バネの強さを見るのに用いる。あらかじめ容積のわかっている密閉箱を用意する。
バスレフ箱のダクトを板でふさいでも良い。
fo=129Hz
foc=161.5Hz
Vc=1.4L
∴ Vs=0.78L
其の四
セパレート&バースト法
ダンボールで遮蔽して5cmくらいの距離で音をとる。
両者の混合は避けられないが、なかなかよく分離しているように見える。
其の五
電流・電圧解析
電流正帰還時のMFBの様子、第一波の立ち上がりなどが見れる。
両者の波形を合成するとこのような図が得られる。合成するにはJtrimなどのフリーソフトが必要である。
この方法を用いると電磁制動はMFBに似ているがやっぱりMFBではないことがわかる。
其の六
コサイン波解析
このような波形をCD−Rに焼いて用いる。
よく見ていただくとサイン波の片波でなくオフセットされたコサイン波であることがわかるかと思います。
ユニットのQts
foではサイン波になるので、その尻尾の部分を見てQを決定する。
Qts=0.6
負性インピーダンスアンプで駆動時
Qts=0.3 くらいに減じている。
実装時の過渡特性
其の七
パワー崩壊テスト
背圧による歪み、速度突破現象などを観察することができる。背圧を少なくしてエッジの非直線性も見ることが
できるかもしれない。
電磁制動のみではいたるところで破綻し、歪むが速度制御を用いるとそのようなことは無くなる。確かにQが大きいと
速度突破はたやすいといえる。
速度突破コンテストなど面白いのではないだろうか。
其の八
速度解析
ONZOW社製 MFB-20
究極のテスト。検出コイルが必要だが、ボイスコイル速度が波形で見れる。
速度特性の全体像が見れる。
過渡特性、歪み、複雑な箱の動作の解析に用いる。
MFB-20の速度特性
MFB-20をバックロードホーンに装着し、MFBをかけたときの速度特性
サイン波を入力してサイン波ででてくるのは、foにおける速度特性の特徴ですが、この場合は広帯域で
そのようになっています。
当測定法のために作られたテストディスクの目次
CDデータは近いうちに公開されるかもしれない
このようにさまざまなレベルで入っているのは、こうしておけばどこかのレベルで適正になるので
測定が1回で済むからである。
テスト中は鳩がぽっぽぽと鳴いているような音がするので、怪しまれるのが欠点である。