±1.5Vヘッドホンアンプの基礎研究その2
±1.5Vで良い特性を実現しようとすると、どうもこういったコンセプトでしか実現できないようだ。
相当大がかりになるので小型ケースに実装するのは難しい。これは特性を見るために作られるのである。
実体図を書いてから回路図を起こす。普通とは逆だが私の場合このほうがやりやすい。
前回の研究で、ダイアモンドバッファより電流帰還バッファのほうがスイングレベルが大きいことは
確認している。準コンプリバッファ 実測編
±1.5V電源アンプの特性
ダイアモンドバッファはバイアスで1.2VロスがでるためゼロバイアスのJ-FETには負ける。
初段バイポーラにこだわっていたが、試しに初段をFETにしてみる。4石電流帰還バッファ。
ニッケル水素電池は±1.27Vしかないので無歪正弦波の実効値で0.85Vが限度となると
考えておこう。39Ωでは0.018W、50Ωでは0.014Wというところ。
LT1498
単体ではこのようになる。思ったより厳しい。
前に作ったアンプを再測定。今回の出力が小さいが、前回は電池がオキシライドだったようだ。
(ここよりスケールが違うので注意。)
この4石アンプはヘッドホン負荷だと大変厳しい。アイドリングを絞りすぎというところもあるが。
バイポーラで構成したバッファ
よく考えてみると雀刺しにしている限りダイアモンドバッファより良くなる事はないのだった。
ゲイン2倍にしてみる。
振幅はこころもち改善、歪は悪化している。
抵抗を調整してIo=25mAにしてみたらびっくり。
これは前段が不要になるほどの良い特性だ。オフセット調節をつければ実用になる。
最初の図に戻るとどうやらHA10 miniには歪率で6dB負けているようだ。
少しオフセットがあると片方がカットオフする扱いの難しい回路でなかなか完成しない。
完全アンプをそのまま低電圧動作させた。
音はこれで十分すぎる位良い。特性はいまいちだが。
新回路
ユニバーサル基盤でHA10miniを組んでみた。
若干の改変がある。
アイドリングは10mAのときに歪率最小になった。音は20mAのほうが良かったのでそのくらいで聴いている。
(つづく)