2009年イヤホン生活

  いきなり難聴になったのではと思わせたかもしれないが、iPod付属のやつはイヤホンに分類されるだろうから
こうなるのである。

 完全アンプD−NFBの内部



  音がやわらかくイナーシャがあるので気に入っている。ポータブル三羽烏の一角。基板は
二階建てになっている。

  
MOS4パラ



  パワーアンプの世界ではMOSらしさがフルにでているという言葉があるがこれはフルどころではなく
出ている。



 ぺるけアンプをマウントベースに装着。


新作ヘッドホンアンプ



  このように余裕がありどんな回路でも入れることができる。どうしようか。



  さしあたってはまだ聴いたことのないこの回路になるだろうか。





  毎日聴いているがエージングが完了した状態では極めて魅力的な音だ。006P二本なので運用が
楽であり、音はSITアンプの一歩手前まで行っている。


  オールFETシンプルディスクリート

  これもだいぶ練れてきた。定数決定のための予備実験が必要になるがそろそろ作らなくては。




  予備実験しながら製作する。実験しているうちにこのような回路に変わった。この電圧ではこのくらいが
まあ妥当ということになる。測定してみると電源ノイズに弱いようなので電池式限定になる。











  クリアーと思うが差動アンプがなければどんな音になるのかがよくわかる。


  音楽をいい音で聴くための主要な仕事を全部やり終えた私はあとは自分のアンプのレプリカを作るか、
音に関係のない趣味のアンプを細々と作ってゆくことになるだろう。

  果実は日常の音楽生活にすでに取り入れられており目を見張るほどの充実振りだ。

  家ではFE108SオデットとヤマハB3で聴いている。自作SITアンプは予備用だ。

  散歩にはポータブルアンプ四天王を交代で持ち歩く。

   SITヘッドホンアンプ ポータブル
   2N7000SEPP
   完全アンプ D−NFB
   ZDRヘッドホンアンプ

  出先ではHA−2000で聴いている。

  旅先には2N7000SEPPを持ってゆくことにした。


  
  いままでやってきたことを要約すると次のようになる。

  1 音質劣化の最後で最大の要因は能動素子に大きな電流を流したときに発生する歪である。

  2 それに対しNFBをかけたときに静特性は改善するが劣化した音質は改善しない。改善した
    と思えた場合も、実はくせが少なくなった程度の改善である。

    この辺の事情は静特性(正弦波の歪率)の測定では実は見えていないのでやっかいなのである。

  3 それの解決法は4つくらいある。

     a  大電流でもリニアな特性のSITか三極管を用いて歪を発生させない。

     b  生じさせた場合はNFB以外の方法で歪を改善する(ZDRなど)。

     c  MOSーFETをPWM方式で用いる。

     d  素子や回路をパラにして小電流で動作させる。 ←New

  4 電圧増幅では歪を改善できればNFBだろうが何だろうが手段は問わないし音質は劣化しない。

  実に単純だがこれで全部つじつまが合う。


  据え置き五奉行

   HA−2000

   HA−5Σ

   K213/J76 4パラ

   HA−1000

   NJM4580 4パラ






  のぞみで西へ旅立った、2N7000SEPPを持って。車内でシミュレーターの歪計算をやろうとしたが、
細かい振動でマウスコントロールがうまくゆかない。結局映画を見たりWebページの閲覧が無難なところ
だった。

  配線図の作成も車内でやらなくともホテルで夜中に目が覚めたときなどいくらでも時間があるのでのぞみ
でやる必要性を感じなかった。

  2N7000SEPPと iPodは散策のときに素晴らしい働きをした。車内では暗騒音がひどいので聴く事はない。





  旅から帰りいよいよ清流システムを始動させた。手のひらでなんとか持てるサイズだ。ルーティーン
の散歩時間に持ち込む。

  冒頭から凄まじく良い。まるで清流が迸っているようだ。質感においてはデジタルとは別次元といえる。

  このアンプは据え置きより良いのでここが最高地点であることはあらかじめわかっていたが、こうして
実現してみると感慨深いものがある。

  明日から毎日聴こうか、それとも伝家の宝刀としてとっておきの時のみ楽しむようにすべきかちょっと
迷うところである。



  データ圧縮した音源とPCM音源とで音質に若干の差があるが、それは品位の差であって圧縮により
音質が劣化しているわけではない。

  アンプの差は終段素子による音質劣化なのでこれのほうが変化の度合いがはるかに大きいのだという
ことがポイントなのである。これが飲み込めていない人はいつまでも堂々巡りをすることになる。

  アナログとデジタルの差も音質劣化したアンプを通して聴くとそれほどとは感じないが、SITアンプなど
を用いるとその差が鮮明になるということだろう。

  これでいままでのことが全部矛盾なく説明できるが、心配なことがひとつだけ生じた。それはレコードの
カッティングマシンにSITが使われていないということだ。

 


  こんなのが今日届いた。在庫切れでほぼあきらめていたのだがまさか来るとは。

  わたしのオーディオライフもこれで完結だ。




  連休中はゆったりレコードをかけてみた。予想どおりCDのほうが良い。SITアンプはやはりCDと
相性が良いのだ。

  (誤解を避けるため付け加えるとSITアンプで聴く場合、テープ > CD > LP であると述べている
のである。ただカセットテープはイヤホン向きなのでスピーカーで聴く場合はオープンテープにすべきだろう。)

  SITヘッドホンアンプは25分の散歩で三日使うと電池切れになる。最後はだんだん音量が下がり低音が
歪んでくるのでわかる。中に早く電圧が下がるのが混じっているので電池を8個にふやして選別することにした。

  電池切れまで聴いたら最終電圧を測っておき揃っているのを4つ選ぶ。残りは二個用と単独用にする。

  iPod でEarl KlughのThis timeを聴く。スピーカーで昔鳴らした音と比較できるのは不思議だが情報量といい
抜けのよさといい明確な低域といいすべてにおいてこちらが上回っているのだ。

  まぎれもなく思い描いていた理想の音がここにある。これは電圧増幅段の信号をそのまま聴ける唯一の機械
なのだろう。


  デッキの音の評価を確定

  オンキョーのミニコンポのK-505FXについては使っていていやにサ行が強調されるなと思っていた
(Citron, Seiko Matsuda)。このソフトは高域の伸びているほかの機器では大丈夫である。

  DENONのDRR−F102をHA-5Σで聴くととてもしっとりして奥深い音がするのでこれは合格だ。

  結局合格したのは、

  HA-2000 + DD Quartz Walkman (*)

  SIT HEADPHONEAMP PORTABLE + DD Quartz Walkman

  HA-5Σ + DRR−F102

  ということになった。DD Quartz Walkmanは回転ムラの少ないリバース方向で聴く必要がある。

  15kHzで高域がカットされているということは一聴してクリアーに感じるがカットオフ周波数近辺
の過渡特性が悪化しているのだろう。

 


  伝説の・・・・

  Ioを20mA流しているバージョンはOcchio rossoといわれ、つとに恐れられている。しかもiPod 5th gen. 30G
を積んでいればもう最強としか言いようがない。



  このようにヘッドホン出力がわずかに右に変移しているのが特徴だ。もしどこかで見かけたらチェックして
ください。

参考



  休日に真空管アンプを聴いた。



  チェロの合奏やブランデンブルグ協奏曲をかけてみる。思ったとおりいい感じだ。趣味の音楽鑑賞としてはこれ
でいうことはない。


  写真をみるとわかるように実はヘッドホンアンプに改造してあるのだ。特性を調べてみた。



  5次、7次歪がなく、音もSITに似ている。


   実は iPod classicの音がかなり気に入っていて2N7000 SEPPで聴くとなんとも言えぬ良さがある。

  四天王+1を聴き比べた順位としては、

  SIT ヘッドホンアンプ ポータブル  > 2N7000 SEPP > 完全アンプ D-NFB ≧ K147 ZDR  >> HA-2a mini premium

  のようになっている。

   iPod nano(デブ)もわりと近い音がする。これで聴き比べて行ってこのような順位を確認し最後に単体で
聴く。単体でも随分と良いので少しあせるが、2N7000 にすると又圧倒的に良くなるので一安心するのである。


  ポタアン二種








  E5はかなりいい音。最初聴いたときうちのが全部やられたと思ったが、比べてみるとHA-2a mini premiumが
きっちり仕留めてくれた。ひんやりと甘い音色で差をつけている。


Fireye 1



  モビロンバンド使用。これも音は相当よい。










  ラインアウトケーブルを導入。この音は二段階上だ。E5がやばいことになっている。


  ボリュームボックスを作製。



  これは高級機に伍してゆける音だ。E3だと通の味わいになる。

  逆にSIT ヘッドホンアンプ ポータブルだとない方が聴きやすいことが判明。その他のアンプは
パフォーマンスは変わらないが音質が2ランクアップした。


  イヤホンとフルレンジは似た関係にある。フルレンジは初心者向きだがレンジが狭いとか紙くさいとか
いう理由でふつうの人は卒業してゆく。しかしフルレンジを極めるには背圧をかけないで鳴らすテクニック
と最高のアンプが必要とされ、そういったものは売っているようなものではないのである。

  iPodのイヤホンは(Fostex製だが)シンプルで過渡特性が抜群によいまるでFE103のようなイヤホンだ。
というかFE103の上を行くことは間違いない。

 今回はきわめて短期間でこのイヤホンを究めることができたが、上のクラスのイヤホンに行く必要性はあまり
ないと思う。なぜなら高いと余計なものがついてくる可能性があるからである。





  早朝、庭園に佇みポタアンを聴く・・・・。これもなかなかいい。

  アンプ作りはよっぽど暇なときにたまにやるくらいになりそう。