MOS−FET単段アンプ

  基本構想



   このような単段アンプを考える。バイアスは抵抗で作るとドライブ条件によってはゲインが低下するので、FETバッファを用いる。
ピンチオフ電圧までのバイアスなら作れる。


  カーブトレーサーで静特性を見る。




  


  K405はこのようにgmがK1056の倍くらいあることがわかる。又バイアスが深いのが特徴である。

 直線性は8Ωの負荷線を引いて交点の電流値をプロットしてゆくと読み取れる。V−FETでは直線となり、
MOSFETではゆるいS字カーブとなる。

   プロット例

 飽和特性のMOS−FETでもgmが完全に一定なら、負荷時の特性も直線になるはずだが、そのような素子はいま
のところ存在しない。したがって余分にかせいだgmで、負帰還の力を借りて直線化するしかない。しかしそれをやると
音的にはよくないのである。




  終段バイアスが足りなかったので、バッファを2段にした。これで終段に600mA流す
ことができた。リプルフィルターは必須。

  ゲインは1.9倍となった。実効gmは0.25Sということになる。






  Zo=33Ω

  ゲインは低いがプリアンプがあれば十分使える。聴いて見るとソフトタッチでありながら妖刀のような切れ味
がありこれも只者ではない。

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