速度歪とその改善例

  まず速度歪を検出し、その後MFBによる歪の低減を観察します。

  方法 MFB−20裸ユニットを用いて2と同じやり方でMFBをかけました。RーSG7はA級モード
      で動作させました。

  速度特性


  64.6Hzで19.7dBのMFBがかけられている。

      データは検出コイル電圧をサウンドボード入力に直結して読み取りました。X軸は(スピーカー
      端子電圧^2)/8をワットとしてプロットしました。したがってスピーカーのインピーダンスを8Ω
      とみなしたときの入力電力になるので実際とは異なりますが、単純化して比較するためこうして
      います。

アンプ自体の歪


  三次歪のほうが全高調波歪より大きいのは変だが、まあこれは誤差。



これが速度歪。アンプの歪に対し充分大きいのでスピーカー由来の歪が検出できている。
二次歪が主体となっている。




MFBをかけた状態。



  わずかだが歪は少なくなっている。


もっとも帰還がかかるfsで調べて見る。



  少ないように見えるがよくみると歪が半分近くまで低減されている。安定してかかっていることに注目。
未発表だが電流正帰還よりも強力に効いている。


電流正帰還の場合

  LM1875アンプを用いました。Zo=−3Ωとノーマルで測定しました。
ずれてしまいましたが目分量で2.5dBのMFBがかかっているようです。

速度特性






  全域にわたってちょっと下がっています。誤差ではないようです。電流正帰還は弱いようですが、トランジェント
特性は結構目を見張るくらい改善します。


補足
  MFB−20の元はテクニクスのユニットなので少々磁気回路が弱いのですが、磁気回路が強力なユニットだとかなり
強力にMFBがかかります。FF−125Kは普通のユニットなので速度特性を直接見ることはできませんが、いろいろ工夫
して
MFBのかかり具合を観察しています。 FF125Kバスレフの測定