超三アンプと等価なアンプ
超三アンプと等価な回路といえば、五極管によるカソードフォロアであることはあまり知られていないかもしれない。
三端子のどこをドライブするかによって、増幅段になったりフォロア段になったりする。五極管のプレート、グリッド間を
ドライブすればそれは超三アンプにもなるし、カソードから電流をとりだせばそのままカソードフォロアにもなる。
カソードから電流をとりだして悪い理由はとくに見当たらない。
超三アンプの例
等価なアンプの例
解説
超三アンプのドライブ段はSRPPのような構成になっているが、実際は負荷抵抗(五極管グリッド)が
じゅうぶん大きいので、SRPPの動作はしない。12AX7は単なる抵抗として動作し、初段トランジスタのシ
ングル動作になる。もし負荷抵抗が十分小さければ12AX7は負性抵抗動作になり電流を出力する。これ
はこの場合負荷が重くなったときに余裕があるという程度の意味合いでしかない。
したがって初段抵抗負荷にし、最初から余裕を持たせたカソードフォロアをつけておけば同等のものにな
る。
と思ったら結果を見ると効率にかなり差がある。また超三アンプは正相アンプだが、カソフォロアンプは反転アン
プである。
カソフォロで超三と同等のパフォーマンスを出すのは難しいかもしれない。
よく回路をみると出力管が三極管接続になっているわけで、これでは効率が低いのではないだろうか。スクリーン
グリッドにブートストラップをかけてみよう。
やってみたが結果は同じだった。あまり関係なさそうである。