マルチプライアー方式バイアス回路を調べる
この方式ではトランジスタのVbeを可変抵抗を用いて何倍かにする事ができ、
温度補償に使うことができます。
解説
R1の両端の電圧がVbeで固定されているので、R1を流れる電流は定電流
である。ベース電流を無視すればR2にもR1と同じ電流が流れるので、R2の両端
に定電圧が発生する。
今回R1、R2の値についていろいろと疑問が生じたので調べてみた。
例1
このくらいが適当なところ。抵抗とコレクタ電流のバランスが良い。コレクタ電流
はもっと少なくても動作する。
例2
このくらいにすると、電流のほとんどが抵抗を流れトランジスタにはごくわずかしか
流れなくなる。
例3
抵抗を大きくすると抵抗を流れる電流は、目的の電流まで絞られる。あまり少ないとなんとなく不安定になる気がする。
例4
抵抗を思いきり小さくした。トランジスタはカットオフしている(無いのと同じ)。
例5
エミッタ側をボリュームにした場合、値を小さくして行くとバイアス電圧が増加して
ゆくがある点からまた小さくなる現象が見られる。今回のシミュレーションでその理由が
だいたい理解できた。