電位の決まり方

  定電流負荷だと、電位が定まらず必ずどっちかにクリップします。これは相手方の抵抗値が極めて
大きいからです。




  またこいういった回路は、コレクタ電位がエミッタ電位より0.6Vくらい高ければ正常動作するはずですから、
結構自由な電位で動作させることができると承知しておきます。




  このように電圧源に4kをつないだものを負荷としてぶら下げてみます。



  このように準電圧源をつなぐだけで、その付近の電圧に定まります。エミッタ抵抗付のトランジスタは
ベースから見て大体hfe*Rのインピーダンスの電圧源に見えるはずです。ベースの電位は、Vbe+R*Icで
決まります。


  負帰還をかけてしまえば適正なIcにおさまりますから、このようになります。






DC設計のしかた

  エミッタ抵抗を100Ωとし、エミッタフォロアに流す電流を3.7mAと決めます。

  赤で囲んだ抵抗を調整すれば、大体3.7mAに調整できます。



  この定数で帰還をかければ、上下の電流値が揃い、オフセットも調整なしより小さくできます。



  初段抵抗の変更でフォロアの電流を自由に設定できます。


  これはDCバランス優先の設計なのでACバランスはむしろ悪化していますから、初段の抵抗値を
あまり変えないところで帰還をかけたほうが良いかもしれません。




  さて話は変わりますが、この回路では4VPPまで出力がとれます。



  しかし、上側の電流を確認すると、完全なB級動作になっています。



  このような回路にして検討してみると、




  出力はほぼ電源電圧まで取れ、



  A級動作になっています。



  積極的に最初の回路を選択する理由は見当たりませんが、どうして最初のような回路を
発想したのでしょうか。


上の回路は正帰還になっていました。なのに正常に描画されて不思議です。

PSPICEで追試

  このようなレイアウトで動かしてみました。




  正常に動作します。

  帰還をはずすとゲインの大きい反転アンプ。



  入力を小さくしました。


  動作することはとりあえず間違いないかと思います。


DCスイープと静特性を見ました。

  1段回路





  正帰還2段回路





  負帰還2段回路






  正帰還回路も入力が1.55Vを越えると発振するようです。それまでは動作するようです。