12AX7使用SRPPの設計法

  現在SRPPのBBSが進行中ですので、定数を統一して比較を容易にしています。

  AYUMI氏の回路




  このような設定でトランジェント解析とフーリエ変換を行います。




  出力電圧


  スペクトル


  右上のTHDを読み取ります。

  入力電圧を変えてデータを集め、プロットします。




  実測データと比較しておきましょう。


  (AYUMI氏のホームページより引用)



  さて、負荷抵抗の大きさですが、あまり大きくてもだめですし、低すぎると電圧ゲインが取れなくなり
ます。出力インピーダンスがシングルの約3分の一を目安にして決めることもできますが、上下の球を
流れる電流を見てみます。


  緑 上   黄 下











  24.8kΩ位が有望ですが、歪が少ないかどうかはまだわかりません。


  負荷抵抗を24kΩに固定して、歪み最小ポイントはRを調整して決めます。
  



  Rを1.25k から 2kまで変化させて見ます。















  重ねてみると、抵抗値を大きくすると出力インピーダンスが下がることがわかります。



  歪がどうなっているのかはまだわかりません。


 

  2Vくらいの出力で歪み率を見てゆきます。


出力=1.6V

 R 歪率%
1.25k 0.143
1.5k 0095
1.625k 0.073
1.75k 0.052
2k 0.018
2.15k 0.017
2.25k 0.031

R=2.2kがよさそうです。(設計終了)



  定数

   RL=24kΩ  R=2.2kΩ


  実測V   歪率
  0.01      
  0.03      
  0.06      
  0.1      
  0.3      
  0.6 0.7   0.008
  1      
  3 3.1   0.03
  5 6.6   0.152
  8      
  10 9.9   0.455
  15 13.2   1.8
  25 18.7   5.3
  30 26   6.7
  45 31    
  75      
  100      
  1360      
         


参考  12AX7シングル

  実測V   歪率
  0.01      
  0.03      
  0.06      
  0.1 0.17   0.02
  0.3 0.34   0.041
  0.6 0.68   0.082
  1      
  3 2.7   0.33
  5      
  8 8.5   1
  10      
  15 15.3   1.9
  25      
  30 28.5   4.3
  45 38.3   10.4
  75      
  100      
  1000      
         




おまけ

  uzike氏の提案回路








補足

  上下の電流を見てゆくとA級動作の範囲がわかります。

RL=24k





  ここまでがB級でこれ以上では大きな2次歪が出ます。






  ここまでがA級です。


  RL=50k





  ここまでA級ですから出力電圧の範囲は広くカバーされています。しかし実体はというと
ほとんどA級シングルです。

  これを先ほどの図で示すとこうなります。