差動プッシュプルの共通カソード電位を見る
6L6GC三結のプレート特性
差動化するとこうなります(定電流120mA)
さらにプッシュプル化(この場合は電流合成)するとこうなります。
ここで初めて負荷線を引くことができます。
この回路で共通カソード電位を見ます。
グリッド電圧
プレート電流特性
合成前にすでにS字特性になっています(差動の効果)。
出力電圧
共通カソード電圧
1kHzサイン波をいれるとこうなります。
周波数は2倍になっているように見えますが、実際はサイン波の下側を上に折り返してでき
ているようです。
歪が少ない範囲ではこうなります。
つまり歪みが少ない範囲ではカソード電圧はあまり動かず、カソード電圧が大きく動く
領域では歪が多くて使えないということが読み取れます。
参考 A級PP
グリッド電圧
プレート電流特性
合成前はこのように2次歪みを含んでいます。
出力電圧
合成すると打ち消されますが、もしペア特性が悪い場合はこうなるとは限りません。
その場合は差動PPのほうが、合成前に歪みの打ち消しがなされているので有利です。
真空管のようにばらつきの大きいものの場合は、同じA級なら差動にしておくほうが、
苦労せずとも良い特性が得られるといえます。
付録
このような回路でカソード電圧をみると、寄生発振が起こるようです。
拡大
760kHzくらいです。
スナバを入れた回路
発振は起こりません。
定電流性への影響を見ます。
低域では定電流性、超高域では抵抗性です。
三端子レギュレーターの場合