伝達特性で正負対称性を調べる

  古典的には自然の特性を生かしてそれを反転して重ね合わせることによって
歪の低減を図る手法があります。

(1)一段

  説明が遅れましたが、0Vの電圧源は0Ωの純抵抗のようなもので、これを挿入して
そのラインの電流を測定します。ますます判らなくなったかもしれませんが、実際に使っ
てみると理解できるようになります。



  よくみかけるエクスポーネンシャル特性。



(2)二段直結(同極性)


  直列合成では加減が難しいようです。




(3)二段直結(異極性)





  歪が増大する方向になります。




(4)トランスインピーダンス


  NPNの方にも電流を流すことによってVbeが変動します。両方のVbeの和に対して
入力電圧を与えることになりますから、伝達特性は影響を受けるはずです。

  NPNの方のコレクタ出力電流を見ています。



  素の場合との比較です。




  歪は増えているようです。




(5)差動




  差動はそれだけで偶数次歪をキャンセルする対称合成になっています。






(6)差動カレントミラー



  もう一回合成しても同じ?です。



(7)SEPP




  これも対称合成になっています。下図はB級のため段々があります。
勿論A級にすれば偶数次歪を打ち消します。




参考






  こういうバイアス回路だと伝達特性がS字になりますが、これは見掛けだけです。
歪を調べてみるとわかるので、最終回でお見せしましょう。





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