魔法或いは説明不可能なアンプ技術の勝利(2004.8.2)

  昔、完全アンプとヤマハティファニー7でFE103密閉の音圧特性を調べたとき、不思議な結果に
戸惑いましたが今回検証してみます。


  定番のLM1875アンプ。つなぎ変えなくてもZoを変えられるので実験がスピーディに行えます。

  軸上10cm近接測定




  重ね合わせてみるとQの変化がちゃんと現われます。これは測定法としては合格ラインです。



  余談ですが、近接ではなく聴取位置での測定では、なにもはっきりした事はわかりません。2mでの測定データが
無意味とはいいませんが、人間は2m離れていながらも近接特性をちゃんと聴き取っているということが言えると思い
ます。


  さて初代完全アンプを見てみましょう。低域わずかに盛り上がり、エッジ共振は少なくなっています。
高域はやや上昇しシャキッとした音がするのが想像できます。



  出力インピーダンスが上がると電流歪みは減少しますが、電流出力アンプで調べてみましょう。

  帯域電圧負帰還のおかげで常識的なfs上昇で済んでいます。高域はさらに持ち上がっています。
実際の試聴では聴きづらい印象です。



  ストレートな電流出力アンプではこうなります。



  聴感では最高のV−FETアンプを見てみましょう。

   エッジ共振の影響が目立たなくなっているように見えます。高域のピーク&ディップも弱めです。



  V−FETアンプはあと数台作れますし、これは再現可能な実験結果であるといえます。

  FE103でアンプの音の違いがわかるということを言ってきましたが、私の耳が異常に良いわけでは
なく、特性に違いとして出ているわけです。

  では何故出るのかという問いには答えないでおくのが賢明でしょう。事実を以て語るのが一番雄弁
なのです。