バーチャル試聴会

用意したディスク



   A  Dave Grusin : Mountain Dance
   B   Olivia Newton John : Have you never been mellow
   C  10cc : Original sound track


  予備実験

Fostex FF125K
Sansui AU-α607 Mos Premium


  このように高級アンプと小型スピーカーの組み合わせはよく行われますが、その狙いは
電磁制動を完璧に効かせることにあります。



  ほらこのようにボックス入りでのQの値が書いてあります(根拠は不明)が、このくらいQが低ければ、
ハイパワーアンプを用いれば、MFBなしでも完璧に電磁制動がかかります。


FOSTEX FE168Σ

  このくらいのスピーカーになると、そのfo共振や箱鳴りのエネルギーは強大です。もはや電磁制動だけ
では部分的にしか制御できなくなり、電磁制動はほどほどにかかるため相性がどうのという問題になります。




  このケースでは軽いパルプコーンとの相性はいいです。

  さてそれではMOS-FETアンプの音を聴いてみましょう。ディスクAより、Mountain Danceを
かけます。

  冒頭のハイハットシンバルが華麗に散乱するのをチェックします。旧MOS−FETらしく繊細に
華麗に鳴りわたります。

  ベースの音を聴いてみるとパワフルであり制動が適度にかかっています。

  尚このアンプはバランス出力なので、電流正帰還をかけることはできません。


本編


     スピーカー FE168Σ バスレフ
     プリアンプ  歪み打ち消し(ODNF)無帰還DCプリ



     パワーアンプ  J48完全対称DCアンプ

  旧MOSメタルキャンの音です。典型的なMOSの音で、色づけが少なく細かく分解します。
強力電源なので低音はパワフル。やや低域過剰に感じられます。





  このように電流正帰還アダプターをつけてみます。これにより出力インピーダンスが−2Ω
くらいに下がり、速度MFBがかかります。これにより、fo,2fo,3foの余分な共振が激減し、にご
りがなくなります。これは経験したものでないと想像もつかないと思いますので、是非ともどこかで
体験することをお勧めします。




  Mountain Danceの冒頭から、すでにくっきりはっきり聴こえます。低音楽器は鳴っていない
のに不思議ですね。

  Olovia Newton JohnはV-FETアンプとの比較に必要です。V-FETアンプではあたかも
風が吹き抜けるかのごとく、すっと鳴るのです。この旧型MOSではいい線は行っていますが、
エッジに強調感が生じています。

  音の決まり方はいろいろ考えてゆくと、回路3、素子7くらいで影響しているように思えます。






  電流正帰還V-FETアンプ。この音がなければ一連の実験も行われなかったでしょう。
歪み感が少なく、低域も制動がよくかかっています。


第2部

  各種DCアンプを聴く



  三重拡散バイポーラのDCアンプ。こくのある音ですが、MOSのような華やかさはありません。





  左から、LAPT、K405(旧型MOS)、モトローラ(金田式御用達)

  LAPTのよさを100%出すには、ワイドラー式電圧増幅段では無理のようです。



  第3部  音場感について




  ODNF無帰還パワーアンプ

  ディスクCを用いて、音場感のチェックをします。NFBを用いずに直線性を改善したアンプ
は、音場感のよさに特色があります。位相が回転すると音場は歪み、さらに深いNFBがかかると
音場は破壊されます。そのことを知るには、位相が高周波領域までフラットな無帰還アンプ
を聴くしかありません。

  ピンポイントの動かない音像が出現します。



  完全アンプエクストリーム

  余興で鳴らしてみました。



  あとがき

  このような試聴会は決して行われることはないでしょうが、何かの参考にしてください。