電流帰還の効果を作図してみる

  このようにエミッタ抵抗を挿入して、電流帰還をかけておくと、アイドリング電流が
安定したり、歪率が改善することはよく知られています。



  先ほどの図をもとにして、電流帰還をかけたときの特性をもとめてみましょう。



  バイアス0.65Vで電流帰還なしのとき、Aの入力電圧があるとき、電流はCの
範囲で変化します。次にバイアス2Vで350Ωのエミッタ抵抗が入ったとき、Bの入
力電圧がはいると、Cの範囲で電流が変化します。

  このように入力電圧に応じた電流の変化が減少したので、gmが減少したことに
なります。

 次に、入力電圧に対する電流の点をプロットしてゆくと下図のようになります。



  直観的には曲線をうにゃっと横に引き伸ばしたように見えます。
 

  これの面白いところは、元がどんなgmの曲線でも引き伸ばされて同じようになるということです。
これは電流帰還によってゲインがgmと無関係になることに対応しています。しかしもとの歪みが少し
は残るので、歪みがゼロになることはありません。
(以上はPspiceのない時代に考えたものです。)
 


Pspiceで見てみましょう。






  まさしくそのとうりになっています。


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