FE83の低域フラット化
この図をみていただくと、FE83のまじめな鳴らし方が理解していただけると思います。
2.3Lの密閉箱にいれたのが黄線で、電流正帰還アンプでQを下げると水色、バスレフにすると
緑、対策なしでバスレフにすると赤線になります。
密閉で音を聴いてみました。バランスは大変良く、低域はガツンとでてくるところもあり面白い
ですが、なんとなくまとまりが悪いように思えます。
次にQを下げた密閉の音を聴いてみました。見事に低音が乏しくなっていますが、ある意味で
端正な低音です。もちろんトーンコントロールで目いっぱいローブーストしています。
2.3Lの箱にダクトを作れば今回の目的は達成されます。
FF85Kの鳴らし方のこつは、まず下図のような若干fdが低めの値に設定し、
次に負性インピーダンスアンプでさらに低域をしぼり(このときMFBがかかる)、
この低域をトーンコントロールで持ち上げてやります。
YAMAHA ASTと同じ手法を使います。こうするとアンプがコーンをがっちりつかんで鳴らしまくる
感じのサウンドになります。
また余禄として、中域の濁りがとれるため余韻が長くききとれるようになります。
FF85Kくらいのユニットならこうできますが、FE83ではそうはいきません。
FE83バスレフの設計
2.3L箱、ダクト径3cm、ダクト長4.1cmとなります。
FE83の出発点がQo=0.78なのでアンプが目いっぱい頑張ってもフラット化がやっとなのです。
計算ではこのような負性インピーダンスアンプが必要となります。
ですからこれをやるには、負性インピーダンスアンプの製作と、測定法が確立してないとだめなの
で誰もまだやってはいないでしょう。
製作編
2.3L密閉箱にダクトをつけました。例によって吸音材は入れません。聴きはじめは逆相感がありますが、
じきに透明な音に慣れてきます。
Zo=−3.9Ωの電流正帰還K1529アンプで鳴らしてみます。
しっかりした低音を聴くことができました。WinIsdの特性と聴感はよく一致しており、これでよいのだと言う
確信が得られます。
バスレフを効かすために音量を上げると入力限界に近づくのでFE83Eは10cmよりも運用はクリティカルです。
こういう場合は金と銀アダプターを用いアンプ側でリミッターをかけてやると、さほど濁らずにのびのびと
鳴らせます(勿論使うのは銀の方)。