加速度型MFB
速度型MFBはしごくまっとうな技術だと思いますが、加速度型MFBはいまだ未開拓というか、かなり???
な世界のように見受けます。ここではそのさわりだけでもデーターを提示して検討してゆきたいと思います。
加速度型MFBについては、分割振動のないドーム型MIDに20dBくらいの加速度帰還をかけたもの
が本物で、他ははっきり言ってまがいものです。わたしの見るところそういったコンセプトのものは皆無です。
さらにいうとfs領域では位相が90度遅れており、そもそもその領域に加速度帰還をかけることは誤りで、
本来は振幅位相フラット分割振動なしの領域にかけるものなのです。
さて加速度型MFBとはアンプからボイスコイル加速度までの系を負帰還制御するのですから、
入力
出力
となり、出力信号を負帰還で戻しますと、
このようなクローズドループ特性が得られます。これは加速度ゲインが
下がり、fsが低い方に移動し、Qが上昇することを示しています。
単独加速度負帰還ではこうなってしまうので、普通は速度負帰還を併用する
ことが常套手段になります。
ボイスコイルの運動の非直線歪みを改善するのは、加速度負帰還なの
で、かけることのメリットが期待できます。
ただし負帰還が有効なのはピストンモーション帯域までなので、そのへんの
考慮が必要となります。
加速度を検出する方法は、
1 加速度センサー
2 速度センサー信号を微分回路に通して加速度信号を得る
3 マイク収録
4 レーザー変位計の信号を積分する
などが模索中或いは開発断念中のようです。ただ目的がちょっと違いますが、低域を
改善するための製品はいくつか販売されています。