奥義密閉箱



  このように市販の小型スピーカーにFE103を仕込むのである。ウーハーが10cm
ならそれほど面倒なことではない。ツイーター穴は木でふさいでおく。




   箱が小さいのでこのようにfocは上昇する。しかしFE103は低Qなユニットなので
これでもQは0.6くらいに保たれている。ようするにまだローは下がり気味で、過渡特性
が良いことが期待されるのである。




   歪をみてみるとこのようにかなり低歪みであることがわかる。歪みの激しいピークは
ノイズによる影響なので、なだらかな部分だけ見ておくとよいかと思う。低域で2次歪みが
思いのほか少ないのは、背圧がかかって振幅が制限されているためであろう。



  200Hzでは位相が90度遅れるので、ちょうどコサイン波になっているはずである。
217Hzをみるとコサイン波がスパッと切れたかたちになっているのがわかる。だから
これは過渡特性が良いことを示しているのである。サイン波が再現されるのは音圧特性が
フラットな部分のみである。




   このFE103密閉箱システムはアンプが良ければピュアの極致が味わえる。
だからある程度アンプの経験をつんだような人でなければ良さがわからないかも
しれない。ミニコンポあたりから参入することはお勧めできない。



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