ペリスコープとはスタンド部がバスレフダクトになっているスピーカーのことで、発案、命名
とも長岡鉄男氏によるものです。人がみたらダクトをスタンドであると勘違いするので、その低音
の迫力に驚くという寸法です。いわゆる騙しスピーカーのジャンルに属するといっても良いで
しょう。長岡氏独特の茶目っ気のある設計です。




  Stereo 1995年7月号

  この方式の欠点は重心が高いため倒れやすいということです。重心を下げるため
台座を重い金属製にするか、台座に鉛を載せるかするとよさそうです。



  これのユーロユニット版がスタンドプレイと呼ばれているものです。(誰も知らなかったり
して)



Stereo 1998年7月

  ユーロユニットといってもLS3/5Aのものなので幾分古い設計です。




  最新のユーロユニットを使ったものはフェイ氏の作例があります。

FB24「卓上ペリ10」98年12月

SEAS W11CY001T25-002




 
 あまりの美音に驚愕したとのことですが、これがいわゆるカルチャーショック
なのでしょう。



FB27「卓上ペリ08/2ウエイ」99年2月

AUDAX HT080GO+MOREL MDT40





 これもヨーロピアントーンですが卓上ペリ10にはかなわないようです。



 フルレンジを使ったものはあまり見掛けませんが、フェイ氏にその作例があります。


FB26「卓上ペリ08/フルレンジ」




  この箱を今回いただけることになったので、今後の計画を立てたいと思います。

  元々はFE83用の箱ですが、その後FE88ESに換装されました。バランスがややくずれ
 てしまったようなので、考慮が必要です。
 


  穴を大きくしてFE103を入れるようにしてみました。収まりは非常に良いです。










 どんなカラーにするか考えてみました。



 


   まずバッフルの木口を削り、檜板を貼ります。檜板は柔らかいのでサンドペーパーで
 平坦にできます。他はそのままで行きます。

  ネジ穴を開けますが、ネジ穴と釘が交差することがわかりました。釘頭が埋め込まれてい
るので彫刻刀で彫出し、くぎ抜きで抜きます。あとはパテで穴埋めしておきます。

  端子板のネジ穴は一致していました。

  試しにメイプルの着色ニスを塗ってみました。透明カシューに似た感じですが、塗れば塗るほど
濃くなりそうです。


  結局くどくならないようにメイプルは2度塗り、スタンド部の茶カシューも2度塗りになり
ました。

  本日組み付けが終わり、早速試聴してみました。ポピュラーのベースギターがよくきこえ
ます。FE103の特徴であるあけすけな中高音、ヘビーデューティーな低音がそのまま、音楽
のバランスで鳴るわけですからすごいものです。

  2000年7月1日完成

これが実物写真。





  使いこなしで気づいたのは、FE103をハイファイとして使うには、中空にぽっかりという
スタイルにする必要があるということです。ペリスコープを前のほうにだしてやれば素晴らしい
音場感ですが、テレビの両脇にくっつけてやると途端につまらなくなります。

  おそらく壁に埋め込むという使い方が最悪でしょう。MX-1が良くない理由もそのへんに
ありそうです。

  今回のユニットは旧MX-1からの流用なのです。MX-1(45度)はさほど音場が広がらず、
レンジも狭く、HMA-9500IIでは保護回路が働きうまくゆきませんでした。

  その欠点をすべて解消したのがFE103ペリスコープです。FE103ペリスコープは小型のスワン
といえるでしょう。


   よく資料を調べると長岡鉄男氏にFE167使用の作例があります。

  

  fd=56Hzで設計






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