2011年の音楽生活(後期)
ローレットネジの2mm径のものが無いことがわかったので六角ナットとビスを接着
した。
こうしないと電池交換が面倒でどうしようもない。
ラジオの缶詰
一週間放っておくとファイルがメモリーに貯まっている。NHK FMでは夜11時台の日替わり番組、
ウィ−クエンドサンシャイン、ラジオマンジャックとあと二つは季節によって替えている。AM放送では
小沢昭一の小沢昭一的こころ、ラジオなんですけど、久保田智子プレシャスサンデー、新日曜名作座、真打競演、
カルチャーラジオ、お話出て来いを録り貯めている。吹奏楽のひびきと現代の音楽はカセットテープに
録音している。
これらのラジオ番組のテーマ音楽には優れたものがある。
夏目漱石 虞美人草
最近読んだ有島武郎の「或る女」と尾崎紅葉の「金色夜叉」は美人小説の双璧と思う。こういうのが書ける作家
は限られているだろう。漱石の技量ではまだまだだ。
今日読了したがこう考えた。藤尾は美人だがクレオパトラになぞらえるのは適切でなかったであろう。虞美人草
は屏風の絵として登場したが、旅先で虞美人草を見た一が、後で庭に咲く虞美人草をみて物を想うという設定のほう
がロマンティックだろう。
唐突に終わる筋書きも、小野と藤尾が結ばれて、一と小夜子が一緒になるという結末のほうがまだ良かったのでは?
と思った。
A day in the life
午前9時9分自宅にてFreecell開始。午前中25、午後25、夜16仕上げる。#3919-#3984の計66個。パスなし
だから昨年5月の55個よりも解く力は格段に進歩している。夜はビールを飲んでやってみたが#3985で解けなくなっ
てしまった。
何でもできそうな予感
AcerのIconia Tab W500 を入手。Windows 7を搭載している。USB経由で移入したファイルでウィークエン
ドサンシャインを聴きながらホームページを編集してみた。
この夏はこの機械に習熟してみよう。
美人の出てくる文学作品
120くらいのリストを作成した。シェイクスピア 「アントニーとクレオパトラ」、ホメロス 「イリアス」、白居易 「長恨歌」
が古典的なところだ。図書館に行って探して見たがあまり置いてない。
小池真理子、山村美紗、よしもとばななを借りてきて最初の25ページを読んでみた。つぐみはおつきあいするのは
御免こうむりたい。どうやって男とデートしたのかが全く書いてないところが作者の限界だろう。読んでみて感じたが、
女性作家は食べ物に関しては細密リアリズム描写が得意なのだろう。
ニコール・キッドマン主演 ある貴婦人の肖像
はじまりはいやーな感じが醸し出ていて見るのが苦痛だったが、見てゆくうちにこれは有島武郎の「或る女」に
相当する物語であると気づいた。
資産家からのプロポーズを蹴って世に飛び出そうとするヒロインとそれを見守る立場の男。しかしヒロインは
変な男に捕まる。
或る女と基軸は同じだが設定はいろいろ異なっている。
この原作であるヘンリー・ジェームスの小説が出たのが1881年なので或る女はだいぶ後に出たことになる。
#4331 黒装束
黒ばっかりだ。黒を全部上げてしまうと赤を捌けなくなる。ほどほどにしておかなくてはならない。
山口洋子著 この人と暮らせたら
この本と吉行淳之介の面白半分のすすめを併読するといろいろと見えてくる。
第三章の終わりのほうにこのような記述がある。
「男の弱みの最後は、自分の心だけは決して誤魔化しがきかないという点だ。特に女性に対しては。
自分の好きなタイプの女性に、なぜか理屈抜きにひれ伏してしまう男性の弱点。これだけはいまだに私
にもとけぬ謎のひとつで、反面からいうと始めに自分が彼のタイプかどうかを、よくよくリサーチする必要
もあるように思う。不幸にしてあまりタイプじゃない場合は、かなりの努力が必要である。幸いにしてどんぴ
しゃだった場合、さあ今度はあなたが彼を嫌にならないための努力をするだけで結構なのである。」
これはすばらしい観察。我田引水になるがこれは私の、
「無意識は虚構を受け付けない。」
と、
「結婚問題は等価交換で考えると必ずどこかでうまくゆかなくなる。」
に対応した考え方になるだろう。
緑のカーテン
うちはゴーヤではなく胡瓜なので少しづつ食べている。
林真理子著 花より結婚きびダンゴ
本文中に「男好きのする女」と「東大生」についての優れた考察がある。
林真理子は自ら述べるところによれば「男嫌いのする女」だそうである。日本文学では初出の用法
か。
夏休み子供電話相談室
今年は念願の夏休み子供電話相談室の録音にほぼ成功した。やっぱり哲学的な内容が含まれている。
例えば動物の特徴は「耐え難いほど暑い場合、それほど暑くないところへ移動することが
できること」なのだそうだ。植物だとできない。
カーステレオで聴くにはSONYのカーコネクティングパックとIconia
Tab でできる。夏が終わってもしばらくは
聴けるだろう。
突然目覚めてこの調子だと年末までに11個のアンプを作ってしまうことになりそうだ。
休眠したかいあっていくつか新アイデアが生まれている。でもまあこの程度なのだ。
Freecell 終了
#4467で止まってしまった。1ヶ月放置してまたやってみたがやはり解けない。いきなりやってぽっと解ける
なんてことはないようだ。何度も繰り返して追いこんでわずかの変化で解けるかもしれないレベルだ。
追いこむ努力が嫌になってしまった。どうしよう。
白州正子著 夕顔
これは相当上から目線の随想集だが、目から鱗のことも多い。著者は風姿花伝だけ
でなく花鏡も読んでいるので批評の目はきびしい。夕顔を栽培してみようか。
岩波新書 満鉄
これを読むのも面白いが並行してWikipediaの関連項目を読むとそのほうが概要がつ
かめる。読書新時代というべきか。
ルバイヤート
山賊だらけの不毛の地で希みを持つなど笑止というトーンが感じられる。李白とも
鴨長明とも違う。言ってることをうのみにはできないが文章が美しい。
#4467
夕方あまり期待せずにやってみると、少しスペースに余裕のある筋がでてきた。そこを何回か
やってみると3回くらいでできてしまったのだ。今日はとりあえずひとりで祝杯をあげよう。こんなの
話しても良かったねと誰も言ってはくれないので。
しかし全くライバルがいないのというはとてもいい。ライバルが先に進んだりすると、何故できない
んだとあせるだろうし、もう追いつけないとわかると辞めてしまうから。
オマル ハイヤーム著 ルバイヤート
よい人と一生安らかにいたとて、 @
一生この世の栄耀をつくしたとて、 A
所詮は旅出する身の上だもの、
すべて一場の夢さ、一生に何を見たとて。
この文章からは@Aが得がたいものであるという風にとれる。しかしもし得たとしても最後は
つらいことになることは確実なのだ。私も最近になってそうだろうと気づいた。
ルバイヤートは文学のほぼ頂点に位置している。
桜桃の味 イラン映画
もう一度見直してみたが結末がやはりルール違反になっている。登場人物はみな
死んだら土に帰ると思っているらしい。オマルの時代と同じだ。
万葉集とルバイヤートの分かれ目
国が成立して社会が安定し労働だけの奴婢の立場から、人々が労働し夫婦に
なれて子供も持てる国の民になる喜び。併せて豊かな恵みをもたらす大和の国
の自然に触れ、どこかもの淋しい情感を抱く。それは家で待つ妻子のことを思
えば自づと湧き起こる情感だ。万葉集にはそういった世界がいつわりのない言葉
で描かれている。
もし国の状況が悪ければ奴婢として一生生きなければいけなっかたかもしれな
いし、自然が豊かでなければ生きていても殺伐とした感情しか湧いてこないかも
しれない。
ペルシアは王朝はできたがすぐ征服により滅びた。国土のほとんどは見渡す限り
の土だ。万葉集のような文学は生まれようも無いだろう。
山賊の被害を受けないようにするのに必要なのは統一政府と鉄道だ。アフガニスタン
には今も両方とも無い。
さあ、ハイヤームよ、酒に酔って、
チューリップのような美女によろこべ。
世の終局は虚無に帰する。
よろこべ、ない筈のものがあると思って。 B
もうわずらわしい学問はすてよう、
白髪の身のなぐさめに酒をのもう。
つみ重ねて来た七十の齢の盃を
今この瞬間でなくいつの日にたのしみ得よう?
これは凄いことが書いてある。私もワインに宗旨替えした。
Bはこういうことだろう。
「酩酊は無意識をも麻痺させる。」
バーミヤンの少年
英国製作のドキュメンタリー。バーミヤンの石窟に避難民として住む一家の一年を追う。
やっぱり薪と水と食料が必要か。粘っていると徐々に援助物資が充実してくる。
タリバンが耳をそいだとか目を抉ったとか言う。アフガンは皇帝のいないシナであると聞くが
証言で或る程度裏づけられる。
ルバイヤートの世界観で言えば
もともと無理やりつれ出された世界なんだ、
生きてなやみのほか得るところ何があったか?
で話がすむのだが、親のほうはどうも子を作る気まんまんなようだ。
ダイナミックセパレーション
毎日4石ヘッドホンアンプを聴いている。これは作るのが簡単な割にものすごく音の良いアンプだ。
強力な電源部と回路自体がアースに電流を流さない構造が効いているのだろう。音が左右にずばずば
決まるが全く揺るがない印象を受ける。検証は大変そうなのでしないが、ダイナミックセパレーション
が良いのだろう。
有吉佐和子著 悪女について
これは斬新で面白い小説だ。題材がおどろおどろしくまるで松本清張の世界なのだが、筆力が
松本清張より上等なのではないか。
出てくる公子という女性は美人という人もいるしそうでないという人もいる。だんだん美人になって
いったとも考えられる。総てを手にした瞬間に自ら命を絶ったように思える。
小学一年生のとき上級生の男子が騒然となったくだりを読むと遠目には美少女だったのだろうと思える。
夏目漱石 硝子戸の中
「実はどこの美しい方かと思ってみていました。〜」
本郷界隈を歩いていて大塚楠緒子を見かけたときの漱石の心情を本人に吐露した言葉である。
ああこれは自分の好きなタイプの女性に、理屈抜きにひれ伏してしまう男性の行動だ。しかも漱石は
帝大卒なのでプライドのお化けだ(林真理子の説)。
若いころの失恋をずっと引きずっているらしい。自分の経歴のことで四国に行って、熊本に行ったと
何度も書いているわりには、その直前のことが書かれていない。書けないのだろう。
「文士の生活」を読むと漱石は借家住まいでお酒も一口しかいけなかったとある。女とお金のチャンネルが
むごいことになっている。
これでは晩年に精神が不安定になるのは必定だ。
10月の庭
イヤホンのテスト
安くてアップル純正イヤホンのような音のするのがあればいいのだが、今回も3種入手して
調べてみた。(前回の結果。)
CRESIN 480円 高域がAppleとほぼ同じ。低域は中に寄り質感が少し違う。
Audiotechnica 880円 高域とんがっていて荒い。低域貧弱。
Panasonic 990円 可も無く不可も無い音質。
5社で合格レベルなのはCRESINの480円のものだった。
車谷長吉 「漂流物」
白州正子さんご推薦の私小説だ。確かに一味もふた味も違っている。脈絡のない展開
のなかにタブーである何かを仕込んでいるなと感じた。
悩みのるつぼのこの人の解答にこのような言葉がある。
「生が破綻したときに、はじめて人生が始まるのです。〜」
この考えが作品の基底にあるらしい。そうだろうか。どうも詭弁のような気がするのだが。
少し考えてみると、人生は誰しも生まれたときから始まるのだから上の文章はレトリックに
なっている。つまり生が破綻したときに始まったものは人生以外の何かであるか、またはある
価値観に基づく人生と言うのが正しい言いかたなのだ。
抜髪読了
長い。これだけの因縁が背中についていて自分の業も燃えさかるなら東京で就職できても
うまくゆきはしないだろう。山頭火の場合と酷似している。
平凡な人生を送る方法があるとすれば、因縁がつく前になるべく遠ざかり、自分の業は全開に
せず少しずつ燃やすならばエネルギーに変換できるだろう。高エネルギーが達成できた人は偉人と
呼ばれる。
高島俊男 本が好き、悪口言うのはもっと好き
これの李白と杜甫の項はとても参考になった。これで李白の詩を読もうとは思わなくなった
から。杜甫も読まなくてよいだろう。
人のお金で生きてゆこうとする人間の芸に過ぎないものに何の真実があるだろうか。
芥川龍之介 あばばばば
色白で猫目の女に心惹かれた芥川が出てくる。反応を楽しむ程度で恋愛の妄想まで行った
形跡はない。だが最後は自尊心を少々傷つけられたのだろう。
最後に箴言のような解説がつく。それがとても辛辣だ。
今日はわりと重要なことに気づいた。J76SEPPにパスコンを入れて「いい音だなあ。これは
今夜祝杯ものだ。」と聴きいっているときだった。
こういうこともできるのではないか。NchでもPchでもできてコンプリでもできる。4ウェイなのだ。
でも作る意味はあまりないのかもしれない。
ATGの作品がこのくらい貯まっている。車谷長吉を読んだあとではATGの作品などなんてことはないので、
この冬に見終わってしまおうと思う。
単四形リチウムイオン電池を入手。音が違うのでびっくりした。ニッケル水素が大人しめとすると、リチウムイオン
は伸びやかでふわっととけ合う感じがある。透明度も上と思う。
MOS+ZDR+電気二重層+リチウムイオン電池はこれはもう最高の処に来てしまったと思えるほどだ。
810kHz AFN Tokyo
リスニングは難しいがそれには理由がある。若いころ気づいたのは、「S、Vをキャッチできれば意味がすんなり
入ってくる、だから冒頭部分に意識を集中しよう。」ということだったがAFNを聴いているとほとんどキャッチできない
のである。
次に気づいたのは英語、とくに米語は濁った音の渦を必ず交えてそれをぶつけてくることだ。Beware
とかdid you
などのような単語がそうである。驚いたのはpornoという澄んだ発音の単語でさえ、「ぴょるのおォウ」というふうに渦を巻いた
ように発音してくることだ。
こういうのをキャッチするのは易しいが、弱音節からなる単語はひとまとめにしてその隙間に投げてくる。これ
には対応できていないのでここを修練するのがポイントだろう。
今年のFreecell の状況
3月の大震災の影響が見て取れる。こうやって踏ん張っていたのだろう。後半はわりと
平穏だったので地が出ている。
どこにも出口が無く救いを求めている人は菊池寛の恩讐の彼方にを読むと何か得られる
かもしれない。
(終わり)