iPod魔界転生編
ある夜iPodを手にし太田裕美のベスト集を聴いていた。そのときふとしたことから同じ音源をメタルテープ録音したものをK333ESA
のヘッドホン出力で聴いてみたのである。
比べ物にならないくらいテープの方がいい音なのである。これが基準のポイントになる。迷ったらここに戻ってくればいい。
誰かがこう言っていた、「LP音源をコピーするのにカセットの右に出るものがあるとしたらオープンテープ位だろう。」と。
だがこれを追試して確認するには相当の手間と技量が要る。録音側は往年の高級デッキと吟味したテープを用意するだけでいいが、
再生側ではターンテーブル、アーム、カートリッジ、イコライザーアンプという難関がある。それらのかなり良いものを自前で持っていると
いう人は人類のごくわずかに過ぎないだろう。
DD Quartz Walkmanで聴くと又音質が落ちるのではっきり確認するにはデッキから直接聴くほうが良い。
さて今回は、同時録再モニター録音法を駆使してiPod上にカセットテープの音色を再現するという試みである。
実は333ESAの走行特性は素晴らしいので同時録再モニター録音法でなくともほぼそれに近い結果が得られることも付け加えておきたい。
用意するもの
新品テープとその歪率特性図
同時モニター可能な3ヘッドカセットデッキ
LP再生装置又はCDプレーヤー
サウンドカードと静かなノートパソコン
方法
レコード(又はCD)を再生しカセットデッキで録音しながらそのテープ出力をサウンドカード入力からパソコンに取り込む。
2ヘッドデッキだったらもう一回再生して取り込むしかないだろう。
WAV化ソフトにはAudacityを使えばいいが、録音レベルが小さいと感じてもこの場合は大音量がすでにパッケージされている
と思っていい。決してやせた音にはならない。
WAVをファイルとしてiTuneに読み込んでAACに変換すれば完了である。
これは数少ないテープ資源を無限に活用できるようにする秘術なので会得しておくとより長くテープ生活が楽しめる。
まずさわやかな音で定評のあるBHF(HF−S)を使ってみる。
比較用にADも挙げてあるがBHFは一聴して「これは!」という音がするのでお勧めである。これを見て真空管アンプと似ている
と思った人がいるかもしれないがカセットの場合は三次歪なので全く違った効果になる。
今回はEWFのI amのLPを録音した。
ロックの場合のように厚みのある音が欲しいならメタルテープを用いるのが定石である。ここではMAの代わりにダイソーで
入手したPS-Metalを用いている。
今回はCCRのBayou CountryのCDからカセットを通してコピーした。辞書で調べたがBayouとはミシシッピ川の河口に開けた沼地とある。
結果は?上々である。これでカセットのDNAはiPod上に転生し、暫くの間生きながらえるのだ。
333ESA>>DD QUARTZ WALKMAN ≒ iPod
≧ 転生iPod
なんともしょぼい位置づけだが転生iPodとしては致し方ない。私の場合は80GiPodに同居させている。あと400本分くらいの
余裕がある。