MOS-FET パワーアンプ
半導体アンプを又作ってゆくが、6C33C-Bハイブリッドアンプの終段素子だけ替えたものを考える。
そうすれば音の違いは素子の違いという事になるだろう。
K135はバイアスが浅いのでSEPPにはやや不向きである。なので純コンプリメンタリーSEPPを採用した。
接続に自信がなかったのでシミュレーターで確かめる。
初段のドレイン電流を見る。1.5mAと1.49mAとなっている。
二段目の電流を見る。それぞれ1.6mAとなっている。
アイドリング105mA、オフセット 1.5mVに設定した。
サイン波が通るところまで確認した。
もう一つのチャンネル基板が完成したので、動作テストを行う。
±15Vで電圧増幅段を見る。生成バイアス0.63V
、オフセット12.7mVである。
±45V電源で確認する。生成バイアス0.62V
、オフセット28mVである。特に問題はない。
終段をつなげて電源をオンにする。アイドリング121mA、オフセット4.9mVに調整した。
このときの初段電流を見る。0.93mA、0.87mAとなっている。これが小さ過ぎると早くクリップするので小出力になる。
これでもまあなんとかなるだろう。
用意しておいた±46V電源はファンの音が気になるので没になった。±16V電源で調整しているところ。
アイドリング83mA、オフセット1.5mVとなっている。
アイドリング70mA、オフセット4.3mVとなっている。
3日目から音も細部まで澄み渡ってきた。MOS FETの良さがフルに発揮されていると思う。音をよく覚えてから
6C33CーBのアンプに替えたとき、音の違いの判断が下される。
しばらく聴いていたがトランス式±40V電源があるのでこれに替えてみた。
こちらの方が滑らかな感じがする。やはりスイッチング電源は弊害が少しある。
この組み合わせで特性を調べた。
いつも聴いているのは16Ωフルレンジなので16Ωで測定した。
何故か出力が小さかったが音はこれで十分満足のゆくものであることを確認した。
オーディオ機器というものはひとえに、それで満足か不満かどうかである。例えば
プリアンプが良くなければ、他が良くてもずっと音に不満を抱えることになる。市販
アンプで良いプリアンプを見つける事は難しい。
真空管OTLアンプとの差は両方聴いてみるまではわからない。音が少し濁っている
とか、情報量がやや劣るという事はそれだけ聴いていてもわからないからである。