6BQ5 ハイブリッドSEPPパワーアンプ



6C19P SEPP OTLアンプで音楽を聴いている。このアンプは電源が簡単である代わりに熱源となるパワーTRが
カソードにぶら下がっているので、なんとか排除したい。今回いよいよ解決策に取り組んでみる。





 このような回路になる。いたってシンプルだが最近やっと思いついたのである。シミュレーターでも動作することを
確認した。




 電源部がなんとか完成したところ。












基板図は書くとこのようになる。回路がシンプルなのでぎゅうぎゅう詰めにはならない。


 シャーシは6BQ5 OTL、EF86イコライザーを載せてきたものを使う。配線の一部を手直しをする。











基板ワークでまず電流メカの成立を目指す。








 電流メカが正しく動作すれば後は真空管を挿すだけである。







 初段FETの電流を見る。1.5mAに設定した。




 電流メカが完成したところ。出力にショートピンが刺してあるのがわかるだろうか。




グリッドに与える電圧を見る。-12Vに設定した。




これに6BQ5を刺すと真空管を含む電流メカが成立する。この定数だとまだカソード電流は流れない。


この図から判断すればカソード電流を10mA流すためにはバイアスを-5.8Vくらいにする必要がある。

 抵抗を5.1kΩから3kΩに変更して、カソード電流を5mAに設定したところ。




 ショートピンを外してオフセットを調整した。まだ無帰還アンプだが特性を取っておく。






 

出力が小さいのでドライブ電圧が足りない可能性がある。グリッドとカソード間の抵抗値を大きくすれば
良いのだが、この方式だと大きくすればするほど初段の電流が小さくなる。試しに6.8kΩにして電流引き抜き
回路をつけてみたがうまくいかなかった。次に単純に4.7kΩにしてみたが出力は同じで、小信号時のゲインが
下がる傾向が見られた。

 今回は3.3kΩにしてNFBをかけた状態で仕上げてみる。

 アイドリング5.4mA、オフセット1.2mV




初段電流1.2mA



特性



これで完成させてMT-128マッチングトランスを入れて聴いてみよう。



同じ定数で残りのチャンネルを組む。

 グリッドバイアスを-5.7Vに調整。  



初段電流1.214mA、アイドリング5.4mAに設定。




オフセット1.7mV、アイドリング5.9mA。




完成写真






抵抗負荷でオフセットを確認後、32Ωのバスレフスピーカーを鳴らしている。