6N1P SEPPヘッドホンアンプ



  このような方式のOTLアンプは見たことがないし、言及されたこともないので実証機を一台作っておく。








 終段には入手しやすい6N1Pを用いる。プレート電流を20mA流せる双三極管である。





 電圧増幅段にはEF86を使うことになった。5654Wは入手しやすいが今回は没にした。





 シャーシから作ってゆく。









休日を使ってハンドドリルとリーマーで作る。3mm径の穴を8個開け、ニッパーで切った後リーマーで仕上げる。













これで完成。明日はXHコネクタを取り付けて行く。



入出力端子はこのように基板に繋がれる。





真空管と基板の接続端子。規則的なのでそれほどカオスではない。





外観写真










 この後はボードワーク(基板作業)のみとなる。


 定数の検討に入る。
 例によって6N1Pの出力特性を見て伝達特性を導出する。プレート電圧が140Vのところを見る。



3点しかないので少し補間しておく。



これを見ると1.5mA流すときの抵抗値がわかる。2kΩをカソードに入れればよい。

 2.2kΩをカソードに入れて、6N1Pの選別を行った。

 このような計測を8回行った。







1と2が今回の終段に使えそうだ。



上側の回路を組んで、VRで終段の電流を調整する。2mAに調整した。




このときのVRが5Ωだったので、下側には4.7Ωの抵抗を入れて組む。2. 5mAになった。




このような部品配置になる。



初段の差動回路を組む。




 プレート電流を調べる。ほぼ1mAに調整した。




終段とはCを介してつながっているのでこれでアンプが完成である。

 まだ無帰還だが特性を調べておく。





30mWの出力が得られている。

最終的にはNFBをかけることになる。



少し改善している。



もう片方のチャンネルも同じ工程で作る。こちらはアイドリングが1. 5mAになった。

完成写真



 今検討しているのはYAHAアンプだが、6DJ8(6N1P)を最大限に活かしたヘッドホンアンプはこれである ことは間違いない。

最終回路と基板図を示す。












32Ω負荷でも行けるのでイヤホンで音楽を楽しんでいる。




これが完成したオールミニチュア管SEPPヘッドホンアンプシステム。120Ωヘッドホンで聴くと低音も充実しておりなかなか素晴らしい。