6N21B ハイブリッドヘッドホンアンプ

 終段のみ真空管で他は半導体で構成するヘッドホンアンプである。

こういう回路





120Ω負荷での特性。




作るのは結構大変だが作ってみる。








まだ作る前だが実物があるので聴いてみる。

Lchの調整

 アイドリング2mA、出力オフセット7mV



Rchの調整

 アイドリング2mA、出力オフセット4.7mV



回路を見るとわかるように、DCオフセットは負帰還により極めて小さくなるよう制御される。
これは純真空管アンプでは不可能なことである。

 AKGの120Ωヘッドホンで聴く。




やっぱり精密感と真空管の良さが両方味わえる。作ろうという意欲がだんだん生じてきた。

 ここまで進捗した。






この回路の鍵となるのはフォトカプラーである。音質、価格、使いやすさで東芝のTLP621が良いと判明 している。
20個購入してペアマッチングを行う。フォトカプラーがオーディオに使えるかどうかは使えると いう結論に至っている。
光電式カートリッジの音質が優れていることでもこの事は証明されるのである。





ヒーター回路の配線から行う。




点灯に成功




この辺まで来た。部品は揃っているのでこのまま進んでゆけば良い。








初段差動回路を載っけて行く。K117GRはペアマッチングしたものである。





 電源がちゃんと供給されているか見たところ。




差動回路の電流を0.78mAに調整したところ。うまく動作している。






回路図と基板図を示す。









僕の回路は電流メカとして設計してあるので、各段階で電流をチェックして行くだけである。電流メカが 動作すれば、
最後に電流演算アンプというものが姿を現す。





 次の作業は2段目を組んで終段のグリッドに与える電圧を作ることである。

 できたところ。3.4Vが生成している。




次の作業は終段を組んで、終段のカソード電流を設定することである。

 出力を接地し電流メカにした状態。2mA流すことに成功した。




次にショートピンを外し、電流演算アンプにした状態。アイドリング2mA、オフセット2.3mVになっている。





特性



参考 真空管SEPPヘッドホンアンプ



かなり近い。ということは真空管SEPPヘッドホンアンプの理論(初段に五極管を用いれば、打ち消し回路は不要)
が正しいことの証左になるかもしれない。

 片chが完成した状態。





残りのチャンネルを完成させたので調整する。

 電流メカの状態でカソード電流を調整する。2.3mAくらいになっている。




 アンプの状態でアイドリングとオフセットを見る。それぞれ2.1mA、15.3mVである。





ヘッドホンで聴いている状態。DCアンプなのだがオフセットをここまで追い込んでいる。





整然と配置された部品の様子。正確に良く働いている。