EF86 SEPPイコライザーアンプ

 10本買っておいたEF86でイコライザーアンプを作る。

 まず回路図を書いてみる。やはりこのように絶縁式アンプになるだろう。直結アンプにはいろいろとデメリットを感じる。










 考えた結果6BQ5アンプのシャーシをほぼそのまま使うことにした。









  初段を組んでみる。K170を使う。




 初段には1mA流している。



フォトカプラーTLP621 のテスト。TLP621は 二段目で高圧部との絶縁と電流折り返しの絶妙な役割を果たす。
電流ゲインも数倍ある。





 入力端子の取り付け




EF86用に配線をし直した。これであとは基板ワークのみとなった。






EF86のデータシートから伝達特性を読み取る。三極管接続の出力特性で150Vのところを見る。
3点だがだいたい分かった。




ヒーターの点灯テスト。部屋の電気を消すと灯が見えるくらいである。2本直列で12Vかかっていることが わかる。






電源のチェック

高圧部には±130Vかかっている。



低圧部には±15Vかかっている。




グリッドに与える電圧は8Vくらいになっている。以上よりカソードに入れるZDは11.2Vに決定。




全部つないで直流メカとして動作させる。



EF86に1mA流すことに成功した。このプレート電流は増減およびバランス調整が可能である。



直流メカが動作するところまできたら真空管の測定、選別を行う。EF 86に流せるプレート電流は それ程多くない。




伝達特性を測定する。



この結果からペアマッチングを行った。




 No.1とNo.6でSEPP回路を作ったところ。アイドリング1.8mA、オフセット13mVになっている。DCアンプにすると
オフセットが数100mVで変動するため、ACアンプにしてある。これは仕方がない。






ゲイン100くらいのフラットアンプができたので測定する。








トランジスターと比べ真空管は非常に直線性が良い。出力ACを見ると24Vくらいでも低歪みである。

 フィルター回路を入れて、周波数特性を調べた。






全部組み上がったところ。




 間違いなく組めているが、発振しているかもしれない。オフセットが予想より大きく、出力にACが出ている 模様。

 こういうこともあるので、片chできたら特性をとっておくことにしている。



 動作が異常な基板は12AU7の方に移譲し(12AU7では正常動作する)、新たにデチューン版を製作する。
 初段をK117GRとし、終段は抵抗一本の自己バイアス方式にする。

 ここまで来た。






EF 86のアンプは難しいと思うので、慎重に進めなくてはいけない。

 グリッドに与える電圧の生成を見る。4.5Vに調整できた。




真空管をつないで、カソード電流を見る。1mA流すのに成功した。



次はNFBアンプとして動作を見ることになる。オフセットの問題、発振の問題が待っている。

まあ何とかなるのではないだろうか。



回路はこの様になる。






ACアンプにして特性を調べる。







 なかなかいいようだ。