2022年版クロスシャント入力アンプ 

これがクロスシャント入力を用いたパワーアンプ基板。クロスシャント入力とは故上條信一氏が考案した
この回路にあるような電圧増幅段である。A級動作の差動アンプに比べダイナミックレンジが取れる。また
Pch FETが入手できなくても上下対称の回路が作れるという特徴がある。







今回これを5Pコネクター対応にして、アイドリングを100mAにして音を聴いてみるという作戦である。



今回作ろうとしている回路








カットオフするようだが、クロスオーバーはわりときれいに行われている。



位相補正のCは1Pが良さそうだ。





片方のチャンネルが組み上がったところで、特性を調べておく。





このようになった。アイドリングが少ないのはここまでしか上げられなかったためで、定数の変更が必要となる
。このような歪みは終段石の直線性の悪い部分を使っているのが原因なので、アイドリングをもっと流せば改善する。





定数を変更して測定した。







3次以上の歪みが激減しているのがわかる。二次歪みが多いがこれは倍音のようなものなので音がそれほど濁る
わけではない。この定数で完成させ、週末には音を聴いてみよう。




ある意味単純な回路なので、調整はしやすい印象を受けた。 

 完成写真



試聴中



これまでのアンプの傾向とは異なるようだ。物凄い切れ味、透明感とは違っている。音の芯のようなものがやや後退して、
ある一定の傾向の雰囲気のようなものをまとっているという感じがする。部品を精密に選別して2次歪みをなくすことが
できればまた違ってくるかもしれない。