超広帯域電圧増幅段SiC MOSアンプパート2
A5とA6はIGBT、SiC MOS FET、GaN MOS FETに特化したアンプシリーズで、両者は基板に互換性がない。
今回はこのような基板を再生して超広帯域電圧増幅段SiC
MOS-FETアンプの2台目を作る。
初日はここまで作業した。新調するのと手間のかかり具合は同じかもしれないが、こちらの方が頭を使わずに
済むような気がする。
初段はそのまま使えそうだ。
回路図と基板図を示す。これまでの知見を元に±15Vでどれくらい出るかが知りたい。
2段目の動作の確認。LEDが点灯している。
ドライバー段を入れてエミッタ電位をみる。よく合っている。
この回路で出力を見ると1W以下になった。色々試したいので±40Vでも動作するように2段目のTRと位相補正C
を高耐圧のものに変更し、まず±40Vで動作させた。
すると1Wくらいでクリップするのである。最後に電圧制限のツェナーを12Vのものに変更した。
これが正解だった。
±15Vではこうなる。
このくらいの出力があればまあまあ成功である。
パターンを変えずに済むようTRの足の順番を変えた。
両チャンネル調整し終わったところ。これで音が聴ける。
音を確認してみるととても良いものだった。しかし二段目バイポーラのせいでアイドリングが増加してゆく事が確認された。
制御ループの外にあるので致し方ない。
C2240からJ103BLに戻しバイアス関係も修正した。アイドリングは実に安定している。
完成写真
特性
超絶ハイクオリティのミニワッターである。
A5 SiC MOS-FETアンプ (±15V)とA6 SiC MOS-FETアンプ(±40V)の音をじっくりと
比べてみた。ソース機器は
パイオニア
Nー50A、スピーカーはFE103SOLバスレフである。
A5
音質傾向はA6と同じだがおとなしく感じる。これだけ聴くと宝石箱のような音が楽しめるだろう。
A6
流石にこれは音のキレといい爽やかさといい一聴で差をつける。アコースティックな音の権化と言えるだろう。
ポールサイモンの“Paul
Simon”では音の深みと余韻がこれまで聴いた事がないレベルだった。スティーリー・ダンの
“Aja”でもギターソロの響きが美しい。このアンプは革命的な音の進化を成し遂げた。C4703の威力はこれほどの
ものなのか。
A7
K1056、J160のアンプで金田式には差をつけていたが、A6と比べると低域に力が無いようだ。ドライバー段に
C5086を使用している。