GaAs MES FETプリアンプ

  

データシートを調べるとトランジション周波数ftが出ているものと出ていないものがある。出ていないもの
については大体のところを想像した。

2SC1815 Silicon Bipolar Transistor ft 80MHz

2SK117 Silicon J-FET ft 200MHz(想像)

3SK291 Silicon Dualgate MOS FET ft 1GHz(想像)

NESG220033 Silicon-Germanium FET ft 12.5GHz

NE76038 GaAs MES FET ft 20GHz以上

FHX06LG GaAs HEMT ft 20GHz以上

使われている場面はバイポーラが音声増幅、中波ラジオ、JーFETがFMラジオのフロントエンド、 VHF受信機、
Dualgate MOS FETが通信機、UHF受信機、GaAsがBS受信機、マイクロ波といったところである。Dualgate MOS
FETのオーディオへの応用はやってみると望外の結果が得られている。

残る3つについても動作させて音を聴くところまでやってみたい。




GaAs MES FETから始める。








NE76084は耐圧が低いのでオーディオアンプに向いていないが、このような回路を使えば大丈夫である。
定数は伝達特性の図から大体のところを導き出した。






MES FET は以前ヘッドホンアンプを試作した時のものを用いる。






このようにDIP化したものである。

DC動作だけの回路をまず組んでみる。









二段目まで動作させることができたが、NFBをかけると不安定な感じがする。

このように素子を基板の裏に直付けするように改めた。








なんとか上手くいったようだ。



特性も取ることができた。Dualgate MOS より歪みが多い。


もう片chのほうも調整できた。アイドリング2.9mA オフセット0.8mVとなっている。



完成写真





試聴を行った。メインシステムだとHMA9500II が敏感過ぎて接続できなかった。二回失敗して諦めた。
K180のSITアンプはうまく接続できた。保護回路も付いているし何よりも安定性が良い。



非常に繊細でクリアーな音がしている。