MOS FET A級 パワーアンプ

First Watt のF7はあまり話題にならないようである。現在手頃な価格で日本で販売されている。回路図を見るとわりと平凡な4石MOS FETアンプなので同じ回路構成で作ってみる。トランジスタはは手持ちのものから選んだ。定数は未発表なので作りながら決定した。

回路と基板図





作り始めてだいぶ進んだところ



完成基板




アイドリング調整。ここまで上手くいっている。






このアンプは来年にはFirst Watt級の大型ケースに組み込む予定となっている。その前に手持ちのケースで実験しておく。





この様な特性となった。まだ電流正帰還はかけていない。


両ch完成した。





  

ネットでみることができる解説文の中でネルソン・パス氏はこう述べている。

The F7 Power Amplifier (2016)

Modest amounts of negative feedback are balanced in counterpoint to small amounts of positive current feedback,
creating an equilibrium wher the output impedance approached zero,improving transient and frequency response.

どうやらPCF(電流正帰還)を使う目的は出力インピーダンスを0に近付けることのようである。

幸運にもF7の回路定数が全部判明したのでシミュレーターで確認するとたしかにそうなっている。








2014年に考案したActive PCFを使うとさらにインピーダンスを下げることができる。











Zo=-1.5Ωというのは経験上制動効果抜群の値である。







  この定数に変更した。 NFBが多くかかっている。





アイドリングとオフセットの安定性をみる。まだ電流正帰還はかけていない。





どちらも合格点なのでフルレンジSPで音を聴いてみる。




上條アンプほど良くはないがまだ何とも言えない。

オンオフ法でZoを調べた。



電流正帰還の効果があるようである。

歪み特性はこうなっている。電流正帰還をかけた状態である。







完成したのでアイドリングとオフセットをみる。アイドリングの安定度は鉄板で、歪み測定中も一定だったのには驚いた。
オフセットあるいはDCドリフトは少し悪化している。




いよいよスピーカーを鳴らしてみた。FE103SOLバスレフである。



  随分良い方に変身しているようだ。