SAOCを使わない金田式アンプの研究
オール半導体の新型金田式アンプはそろそろ発表される頃だろう。
Sic MOSアンプの場合予想としてはこんな感じになる。
この回路の欠点は初段のFETのアイドリング電流が熱によって変化すると変化が倍になって
出力に表れてくるということだ。そのためSAOC回路の付加が不可欠になる。差動アンプのときは
同相変化は打ち消されるので回路が単純なもので済んでいたのである。
DC解析で初段の電流を2mA→2.5mAに変化させる。
金田式
このように電流が反対方向に動く。SEPPアンプではDCドリフトとして出力に現れてくる。
初段をペアにしてフォールデッドカスコードの定電流源として用いる。
同方向に動くので出力ではDCドリフトは打ち消されている。
これをもとにした改良型回路。
電流波形をみると終段素子はカットオフするようだ。
オープンゲインも28くらいあり、終段をフルにドライブできている。
MJ8月号に載っていた回路を元にシンプルなアンプを考えてみた。初段をK214にするだけで
ドリフトの問題が解決するという。元の回路にソース抵抗が無いのは音質上の問題だろうと思う。調整用に
ドレイン側に入れておく。シングル増幅段を用いるようになってから電源リプルの問題が出てきたのだ
ろう。レギュレーターが入るようになった。このアンプでは電源にスイッチング電源を使うのでリプルの問題
が無くなりレギュレーターが不要になる(と思う。)またIVC方式は採用せずふつうの反転アンプにしてある。
この回路にも泣き所がある。フォールデッドカスコードの定電流源で電流が制限されるためドライブ電流が
頭打ちになるということだ。せっかく差動をやめたのにである。その点2段目がカレントミラーでできるクロス
シャント増幅段方式は有利だ。
(つづく)