金田式の部品でHCAアンプを組んでみる。
シミュレーターで検討した結果この定数が直線性がよいのである。だから或る程度の電流をぶち込む覚悟で
行かざるを得ない。
バッファの出力段をFETにするかバイポーラにするか迷うところである。
案を練ってゆくとわりと少ない追加でゲインを持たせられることがわかった。
全く同じ回路で比べてみたがタカチHENケースで組むよりスケルトンの方が音がかなり良いことがわかった。
だから音を確かめるにはスケルトンで組んでみないとわからない。
金田式完全対称とHCAとの間にはこれ位の差がある。音に出てくるに違いない。
金田式
HCA
これもなかなか良さそうだ。入力インピーダンスが高く増幅段が一つ入る。
もしこれで出力が取れて音も良ければこれに越したことは無いのである。
測定結果
出力 0.125W アイドリング電流 20mA位
もしやと思い反転アンプにして測定しなおした。
出力 0.47W アイドリング電流 30mA
反転アンプの方が歪が少ない。
もう一つの原因としてはD188AのhFEが43しかないというのがある。なのでhFEが147の2N3055に変更する。
やっと1WとれたがP3のことを考えると2Wまで行けると思う。
これがスケルトン9。バイポーラとは思えないほどの柔らかく深みのある音だ。音質ではおそらく金田式
No.139超シンプル完全対称DCパワーアンプを超えたと言っていいだろう。あれから20年たっているが。
1〜2Wアンプになってしまう原因はこれらがゲイン1のパワーアンプであることだ。プリアンプが先にクリップ
するのである。330Ω負荷の時のプリアンプのドライブ能力を調べておく。
4〜5Vrmsでクリップするようだ。パワーアンプの測定結果と一致している。10Wアンプにするには9Vrms
までドライブできるプリが必要になる。
PRA2000でも駄目だったのでパワーアンプを使ってみた。
これでP3をドライブしてみる。
なんとかドライブはできるようだ。ただNFBをかける方法が無いのでこの歪率では実用にならない。いよいよ最初に
考えた通りアンプ内にパワーアンプを組み込むことにする。
この回路で行ってみよう。
小出力パワーアンプ部だけ作って330Ω負荷の性能を見る。
申し分なさそう。
結合した場合。オーバーオールのNFBも併用する。
7Wとれた。
(つづく)