2012年の音楽生活後期2
ソニー PHA-1
これは予感してはいたのだが、うちのが全部やられた。高品位の音楽信号がそのまま出てくる
という印象だ。
実用上これさえあればもういいので、ヘッドホンアンプ制作は趣味としてほそぼそとやってゆくことに
なる。
低域カットオフ周波数を見るとこのようになっている。
出力バッファはTPA6120A2だが、出力オフセットが1mVくらいあるのでDCアンプだろう。
電源ONのあとにオフセットが小さくなってゆくのでDCサーボなのかもしれない。
NJM2073ヘッドホンアンプ
データシートを見るとクロスオーバー歪が小さいとある。等価回路を見るとエミッタ抵抗レスの
バイポーラ出力段だ。とても興味深い。ネットでぼろくそに言われている石だが、意外といい音が
得られるかもしれない。
ゲイン23倍にすると発振は収まった。ノイズレベルも低く抑えられているし、いい感じの音だ。
この位相補正付き入れ子型負帰還というべきものはNJM2073のデータシートにあったものだ。
これを使えばLM380ヘッドホンアンプの発振を止められるのではないか。
予想通りうまくいった。
LM380の音はそのへんにあるヘッドホンアンプとはちょっと違う異質のものだ。とにかく抜けが良く
さわやかな音がする。
TPA6120A2の反転アンプ
PHA-1のAudio in と同じ音がする。シンプルな分こちらのほうが情報量がやや多いと感じる。
INA2133を用いた高精度ZDRアンプ
TPA6120A2と比べると情報量、透明度ともこちらが上だろう。アナログ究極のアンプだ。
しかしPHA-1のdigital inはこれを凌駕している。
金木犀の薫る季節となった。今年ももう終わりが近い。
DVD / BOB DYLAN WORLD TOUR 1966 THE HOME MOVIES
& 1966-1974
THE BANDのドラマーが家庭用ムービーで撮ったフィルムとツアーに同行したフォトグラファーが撮った
スチール写真で構成されたツアーの様子。関係者の証言で進んでゆく。
いろいろと知らない事実がでてきて興味深かった。THE
BANDの名前の由来、オートバイ事故の理由、
ディランがマリファナをビートルズに勧めた情景など。BIG
PINKが突然画面に現れたのはびっくりした。
ウッドストック郊外にあるピンク色の建物のことだった。地下室に録音スタジオがある。
だがこれらはファンなら周知のことだろう。
NIRVANA / NEVER MIND
PHA-1とiPod classicで夜中に音楽を楽しんでいるがこれは耳に残る。評論家が推奨していたパールジャム
とは好対照である。THE BANDも全然耳に残らないがこういうのは天性のものが関係しているのだろう。
カートコバーンは天才である。
チア・ピンアオ 廃都(1993) 訳 吉田富夫
これは美人がでてくる美人小説だ。表現方法も優れている。目新しい文化のことが書かれている。
例えばシア・チエが飲んでいた桂花酒をネットで調べると通販で買えることがわかった。村上春樹の
海辺のカフカだと薀蓄を語る役回りの男が出てくるが陳腐さだけが目立つ。
「仏教だの道教だのを学ぶのは、哲学や美学の面でなにか参考になるものを借りてくるためで、
そこいらのお婆さんみたいに、お線香をあげ叩頭するところまで落とすことはないよ。」
さりげなくこのようなことが書かれている。
修行の意味を問わずにはおれない。なぜなら順当に欲望を消化してゆけば年齢を重ねるごとに
煩悩自体が減ってゆく現象があるからだ。
北条時宗が参禅して蒙古を打ち破ったような極限状況では意味があると思うが。
INA2134 + BUF634 ZDR
音が柔らかい。フルーティーな味わいがある。とんでもないアンプが出来上がった。
私の耳の判定するところではこれまでの作のナンバーワンになる。
散歩の時に持ち出してPHA-1のアナログ入力と比べてみた。
PHA-1のほうは高音はきらびやかで低音も迫力がある感じがする。これだけ聴くと完璧なアンプの様だが
ZDRとの比較ではいろいろとぼろを出す。
ZDRのほうは高音はすっきりした感じで強調感がなく、低音は力強いがすっきりしている。音場感は圧倒的
な差がある。楽器が全部見えるように鳴っているのがわかる。
ミュージシャンならZDRの方を選ぶだろう。
#6000
3年やって6000というのは当初の考えより遅いがまあ仕方が無い。このくらいのペースで
結構楽しいから。
辺境萌え 新田次郎 アラスカ物語
これは実話らしいが北極海で立ち往生したベアー号から130マイル南のポイントバローまで徒歩で
たどり着いた男がいる。オーロラと遠くに見える夜明けの光を頼りに北極海からアラスカ北岸に入るという
のはなかなかの体験である。小説に書かれている通り幸運が無ければ命は無かったのだろう。
穴を掘って3日間風雪を凌ぐというくだりは想像通りの環境といえる。
129人が全滅したというフランクリン隊の話と同じような状況だがこちらは一人の日本人の活躍によ
って乗組員は救出された。
2012年に作ったアンプ。メモによると52台のはずだがこうしてみると46しか無い。だが毎年50台も
作るというのは狂気の沙汰なので来年は12台くらいにする予定。
私のアンプも第5世代 iPodのライン出力で聴いてみるとPHA-1デジタル入力に迫る音になってくる。
INA2134ZDRでは肩を並べたかもしれない。このTPA6120
FEEDFOWARDアンプでは別の領域に入った。
小沢昭一的こころ
メモリー録音を続けていたが、昨日とうとう小沢昭一氏逝去の報がテレビで流れた。確認してみるとファイル数は
400くらいある。本人入院のため9月頃からは傑作選と題した再放送だったようだ。11月16日の本人の談話も
録音されていた。
予想通りの結末とはいえ、なにやら物悲しい。放送もいずれ終わるだろう。そのときはソニーのICZ-R50に
霊界ラジオとして活躍してもらおう。
ステレオ1月号付録
ポタアン化した。AcerのWindows7機で鳴らしている。
とても低歪で静か。そのためか演奏が終わった直後のスタジオ内の環境雑音がいろいろ聴こえる。
これなら携行できるので散歩の時聴いてみた。音が透明で見通しが良く、ベールを取った様な鳴り方をする。
これはアナログ入力とは明らかに違っている。アンドロイドの最新型ならUSBデジタル出力ができるはずなので
5インチのものなら携帯型プレーヤーに使えるだろう。来年には試してみたい。
夏場にはパフォーマンスが落ちているというか、だらけていたのだろう。秋に気合をいれてみたが
12月は忙しいのでやめておいた。
(おわり)