神出鬼没の完全アンプ体と音色理論
最近このような独立アンプ体を4匹つくって確保してある。いつでも音楽を聴いたり実力を測定したりできる。完全アンプ体であるから
どこへでも出没できるので、しっぽを繋いでおかないと宇宙の彼方へ飛び出していってしまいそうだ。
外出のときもお供をしてくれるが、さすがにポケットにじかにいれるとこわれそうなのでこのようなシェルを用意した。(急遽がちゃがちゃ
を買いに。)
測定編
LM380
入力には0.2Vくらいの電圧が発生しているのを確認。やはり入力Cは必須だ。
あやめ回路
このくらい違っている。このアンプは奇数次歪が少なく4次、8次歪が多い。ほとんど発生していない歪はノイズレヴェル
としてグラフ上に現れる。
これをみているとこのような音色理論が思い浮かぶ。
ノイズレベルの上に出現している主要な歪が音色のもとになり、黄色で描かれた面積が大きいほど音色は
強くなり少なければ色づけは無くなる。
主要な歪の種類によって音色は変わってくる。まだ詳しく調べてはないのだが二次は柔らかく厚みを増し、三次
、五次、七次はくっきり系であると予想している。
東芝 TA7252AP
こういう二次歪アンプは小音量でも音が全部聴こえる特徴がある。
NEC μPC2002
くっきり系が少しはいっているが基本的にはかなり透明度の高い二次歪アンプである。
基音と高調波歪にはこのような音程の関係がある。
WAV音源で聴いてみよう。(歪はすべて3%)
01.mp3
(都合により基音は480Hz)
02.mp3 (基音+歪) 正弦波 → 二次歪 → 三次歪 → 五次歪 → 五次歪 →七次歪 →五次歪+七次歪
03.mp3 (歪のみ) 正弦波 → 二次歪 → 三次歪 → 五次歪 →七次歪
加わった歪には編曲(Voicing)作用はなくもっぱら音の質に係わっている。
最後に面白い例を挙げておこう。
04.mp3
(歪のみ) 三次歪+五次歪 → 三次歪+五次歪+七次歪 → 基音
これらが同じメロディに聴こえる人は、高調波だけ聴いて基音を感じ取っていることになる。これは実際によく起こる
現象であるがもしそう聴こえたならあなたは音楽脳がある人だ。しかしそういう人でも後日これだけを聴いてみると違うメロディ
に聴こえるはずである。
奇数次歪をふんだんに含むアンプは結局基音を強烈に意識させることにより音がくっきりとするのだろう。偶数次歪のアンプは、
逆に曖昧模糊とした雰囲気を醸し出す方向になる。
衝撃的な結果
三次歪の位相を180度変えるとこのようにコンプレッションタイプとエキスパンドトタイプの波形が得られる。
スペクトルをみると同じである。
音も聴いていただくとわかるが差はない。(歪の位相が180度ずれていても感知できないという結果になった。わかる
という人いますか?)
3iso1.wav
3iso2.wav
まあこれは理屈どうりなので問題はない。しかし圧縮するとつまったような音になり、伸展すると伸びやかな音になる
というのは成り立たないことになる。三次関数で伸展しようが圧縮しようがどちらも変化としては音色が変わるだけだ。
おや、こんなところにLM380完全アンプ体が。