D級アンプを作る
トラ技の付録で勉強させていただくことにしました。定電圧電源は組み込みました。
電源回路
二枚作って完全に同一かどうかチェックする。おかげで一箇所間違いに気づいた。
失敗も考慮してあと二枚分確保してある。ケミコンは背の低いものに交換した。
測定
半固定抵抗 中点
Dead time 40nS
オフセット 0.5mV
Zo 0.098Ω
周波数特性
ノイズフロア
両ch稼動できたので完全密封して聴いている。fswは左右で乖離させておく。
高音は伸びきっていないように聴こえる。鮮度は抜群といって良いかもしれない。小音量で聴く場合はリニアアンプのほうが
有利と思う。
切れ味とか透明感はやはり非凡なものを感じる。パールジャムあたりを聴く人は一台作って常用にしてもよいのではないか。
双子のLM3886アンプとパールジャム対決を行った。
LM3886では天然のリミッターのようなものが感じられ音が濁るのがわかる。ClassDではそれが全くない。
スカッと抜けて豪快。これは一度味わうともう病み付きになる。
一日経ったらポピュラーならふつうに聴けるようになった。音場感はいままでのアンプとは段違いである。
ビクターのウッドコーンスピーカーを導入したらクラシックもOKになった。(ここまではFE103Eで聴いている。)
モーツアルトの室内楽、ナタリー デッセー、シャルロット チャーチなど問題なく聴ける。マタイ受難曲は
少々違和感がある。
新マスタリングのイエローサブマリンだとマスターテープのような鮮度になる。Nowhere
manがミッシェルだった
らよかったのに。
これは瓢箪から駒か。それともMuseからDeusくらいのパラダイムシフトが起こるのだろうか。
いや今回も恐ろしいものを聴いてしまった。可聴域の特性を見るとなんの変哲も無い低歪のアンプに見えるが、
高周波領域では恐ろしいことが起こっている。嵐が吹き荒れているといってもよいのではないか。
アールクルーのFinger Painting
このCDがアナログに近い音で鳴ったのではなく、本物の楽器が火花を散らしているかのように鳴るのだ。低音楽器
もバシバシ炸裂し面白いくらいに定位する。
これはとうぶん抜けられそうも無い。
今日はもっと恐ろしいものを聴いてしまった。
(画像は適当に補完してください)
松田聖子 SEIKO PLAZA
ぼやけているはずの低音が明確だ。一歩踏み込むと音像の森が現れる。楽器が現れては消え決して交わることがない。
直線アンプそのものの振る舞いである。
とうとう私のアンプ群は葬り去られてしまったのか?
今日はちょっとしたことに気づいた。
D級アンプは入力から出力までデジタルの部分は微塵もない。要するにアナログアンプである。PWMのWidthがアナログ
なので、量子化ノイズは発生しない。
ΔΣ1bitデジタルアンプが真正のデジタルアンプでPWMアンプはスイッチング技術を用いたアナログアンプである。
トラ技の記述でもD級アンプのことを高効率なアンプであるとしか書いていないのでそのへんのことは重々承知しているのだろう。
今日は何を思ったかSEAS 2ウェイをつないで一日聴いて見た。
電流正帰還を掛けるのが面倒なのでとりあえずバスレフから密閉に戻してある。実はこれは密閉ではQ=0.29になっているので、
過渡特性はMFBなみのはずなのである。(実際は初動感度の低いわりと冴えない音がする。)
八神純子とメサイアとマタイ受難曲を聴いてみた。
この高域はシルクスムースと形容されるがフルレンジの高域とはやはり別世界である。これを聴いている時間を作らないと人生を
損している感覚に囚われるほどだ。
さてマタイ受難曲もそつなくこなし、我が家の標準アンプにまで昇格した。高域はとてつもなく綺麗だし低域もそこそこ良い。
PWMアンプは増幅素子の非直線性を三角波の直線におきかえたものなので直線アンプであるのはなんとか理解できる。
ローパスフィルターのみで復調できるので、逆から考えると音楽信号に三角波を交ぜたものと等価と考えられる。
実際は、
(音楽信号+三角波)をリニア増幅 ・・・ PWMと等価のもの
(音楽信号+三角波)を電源電圧まで高速クリップ ・・・ PWMアンプ
波形の図を見ているとPWMなんだからと理解はできるが、音楽信号がクリップの影響を受けないのがどうもまだ不思議である。
成〜る程やっとわかった。
サイン波 → 四角 歪む
三角 → 四角 比例する
このようなことか。
やっぱりこのほうが正しそう。
a と bは確定しているのでどんなに伸ばそうとも直線性は保たれたままである。
参考 D級アンプを調べる3
特別サービスとしてFE203バックロードでもテストしてみた。
ポリスとスーパートランプでチェックした。音場はよく広がり密度が濃い。低音は歯切れのよい音を聴かせるが
軽い感じ。
HMA9500IIでは厚みと重量感があり高域も古典的だが味わいがある。これに対抗するのにこの物量では
まだまだのようだ。
控えに回り比較テストを待つアンプ群。すでにLM3886は敗退。右のアンプは秘密兵器。
スケルトン3(D−NFB)
きめの細かさでは同等以上と思うが低域はベールがかかったようになる。音場感はかなり差をつけられ
ている。
アナログ増幅では素子のもっさりした領域を使うことになるので致し方ないのだろう。PWMでは素子は
エンジンで例えれば常に最高回転しているようなものだ。
スケルトン2(SIT)
I Musici , Albinoni Adagio
PWMアンプでこれを聴いているときこの音なら今生の聴き納めにしてよいかもと思えたので、スケルトン2
を投入してみた。
音場感と抜けのよさは同等でさらに静かで緻密さがある。これなら全然負けていない。ただ低域は負けているが。
PWM出現後も未だにB1最強説は成り立っている。
エコーたっぷりでソフトタッチ。解像度は極上。今度はこれをずっと聴いていたくなった。勝ち抜いてしまったかも。
テストとエージングを兼ねているのでPWMに戻す。SITアンプが壊れたらこれの後釜になるくらいの出来である。
直線性を極限まで追求したMOSアンプという位置づけになるわけでこういう結果もそれほど不思議なことではない。
将来SITなみの直線性をもつMOS−FETが開発されたらこのレベルまでくるだろうという感じである。
ビクターのウッドコーンで聴くダイナミックな音も捨てがたいので両者を合体させてみた。(両方つなぐわけではないが)
今日はわれらの世代の歌姫マリーンをプレイバックしてみた。何日か前にこれは素晴らしいに違いないと脳裏に浮かん
だのだ。
今日はいよいよ試してみようと思って、みるとSoftly,As
in the morning sunriseのCD盤(自家盤)を見つけた。
SEASではやはりパンチに乏しいのでウッドコーンに接続を変える。この鮮度と熱気はどうだろう。はじけるようなダイナミ
ズムがある。
SEASは聴かないと人生を損するように感じ、これだけ聴いていたらまた損するように感じる変わったスピーカーだ。
こんなスピーカー有りますか?
最近テレビで耳に残った曲がある。一度聴いただけなのでほとんど思い出せないのだが、映像とともに音楽が
ねっとりとまとわりつくような変な味わいがあるのだ。
矢沢永吉のアリよさらばと宇多田ヒカルのHEARTステイションの二曲。
少しは経済的余裕もあるので週末にでもレコード屋に寄って買ってみよう。
早速聴いて見る。低音が充実している。SEASでもズドンと鳴るじゃないか。調べて見るとソフトにより鳴るのと
鳴らないのがある。半々くらいだろう。ハイファイな録音と低音が飽和ぎみの録音が存在するのだろう。
少々遅れ気味の低音だが単調なリズムだと上手く鳴らせるようだ。ウッドコーンフルレンジだと瞬間で立ち上がり
ダクトと同時に鳴る。ジャズのような音楽だとウッドコーンの方でないとうまくない。
両者の差は歴然としている。
バスレフ否定論者のいうダクトから出る音は遅れるのだとかいう主張はこの音を聴けば即座に否定できる。
元々正しいバスレフは軽いコーンとQ=0.57のチューンで十分ハイスピードだし、密閉ウーハのゆっくり立ち上がる
遅れの方が聴いてわかる。そしてこのウーハーでバスレフを作るとひどい物になるのを承知していなくてはならない。
少しコメントしておくが、PWMアンプの電磁制動能力は抜群である。MFBに近いといっていい。リニアアンプの最高の
ものより上をいっていると思う。
これも電源がじかにスピーカーをドライブしているというしくみの賜物だろう。(アンプそのものがスイッチング電源)
PWMとパルスカウントの違い
ヤマハのLSIを搭載している。
電源部
音出しに成功。
静かで超微粒子の音だ。小音量でも浸透力がある。これがヤマハの音か。エージングして常用アンプにしよう。
測定は省略。
右下のCDは長岡外盤A級セレクションに載っている一枚。何も知らずにこれを聴いてもその音にびっくりする。
ルネサンスの典型的なバンドの音楽。(スウェーデンBis、La
Spagna)
上のは三菱鉛筆のポスカ(きみどり)とアルミ粘着テープで変造したCD。昔の話だが当時ステレオ誌の読者投稿に
方法がくわしく書いてあったので試してみた。音はかなりよくなる。カッターで削り過ぎると音が飛ぶが、今でも聴けるので
変造盤の耐久性には問題なさそうだ。
左下、HEART STATION が手に入った。何で聴こうかと迷ったがLM3886で聴いてみた。世の90%以上の人は
バイポーラアンプで聴いているのだし。無心の境地で聴いてみる。
やばい。HEART STATIONが頭の中をぐるぐる回っている。ステレオで聴いて、iPodでも聴いたからだ。内容が陰鬱
なものだがらあまり良いことではない。
セレブ婚、罪悪感、現世での救いはないという含みのあるソングだった。恋人たちへの応援歌?ともとれるような部分
もあるがそれはつけたしだろう。
永ちゃんのほうは言葉そのまま。アリさんさようならという意味の歌だ。人間を揶揄したかのような詩だが実は単にアリ
さんに挨拶しているだけだ。実にシュールで礼儀正しい。
姿がエレガントなのでヤマハのD級で聴いている。総合的にはIRのほうが上だと思うがデザインも重要である。
私のところではビートルズステレオ主義なので、米国キャピトル盤CDと日本発売LPを編集してステレオCDにして
聴いている。
透明度が増し、エコーが多めになった感じで鳴っている。新たなる聴感が得られている。
iPod30Gと直結
これだとリニアアンプのときのにぶい感じが払拭されていい感じだ。低音の量感もあるし、Agnus
Dei のコーラスも良い。
がしかしこれでは今のミニコンポと同じではないか?
実はこれにはiPod30Gが寄与していることがわかった。低域はSEASでいままで聴いたことがないくらい豊かに鳴るし、CDプレーヤー
より抜けの良い音がする。
アナログ最後の砦はスピーカーかという感じ。
どんな素子ができればD級と等価になるのだろうか。
これで見るとかなり不思議なことになっている。
解説
電源電圧を20Vにして青線の動作をさせるのがアナログアンプだ。線の密度の度合いの変化が非直線性を表す。青線の赤点を除く
部分ではドレイン損失が発生している。
一方D級では黄点を瞬間移動するだけなのでドレイン損失はほぼゼロになる。特性は橙線の部分を仮想的に一定
間隔で横切るものになるがその勾配は不明だし、そもそも損失がゼロなのでそこに存在できない。
注釈 ソースフォロアの特性は8Ω負荷ソース接地にゲイン1になるようNFBを掛けたものとほぼ同じになるのでこれで見ておけば
だいたいわかるのである。
参考 ソースフォロアとソース接地の特性が同じな件
測定してみた。
出力インピーダンス 0.24Ω
周波数特性
ノイズフロア
きめが細かく静かで、ややゆるい低音だったので、このような特性であることは予想がついていた。
そろそろD級アンプにさよならしてSITアンプに戻ろう。
SITアンプの伸びきった高音、甘さのある超高解像度の音質は右に出るものがないだろう。これが壊れても完全対称SITアンプが2機あるので
万全だ。