安価ケーブルの比較試聴(2)

  今回は、フルレンジをさけて、小型2ウェイのパイオニアS−ST7と、プリメインのパイオニア
A−01で聴いてみた。

a)赤黒

  さすがに聴き始めは鮮度も透明度もいまいちと感じるが、しばらくすると慣れてくる。
さすがに歪が少なく、ボリュームを上げてもやさしい音である。

b)透明

  これで真空管アンプの音を期待したが、さだかではない。流れるような低域で、力は無い。

c)ヤマハ

  低域がしっかり充実してきた。高域にも悪い影響はなく、はっきりすっきりしている。

d)青白

  高域の華やかさが一番ある。このくらいでないと淋しいかもしれない。

e)アンプを水仙に変更

  低域はやはりダイレクトにずしんとくる。高域は透明きれこみ抜群となる。クオリティが
3段階くらいあがっている感じ。

  信号のクオリティを上げるのはやはりアンプであり、ケーブルではそれはできない。

f)スピーカーを賀茂に変更

  低域が伸びやかにおおらかに鳴る。あれほど背圧による緊張感が問題だったのが、
ここではさほど気にならない。あくまでバックロードとの比較で生ずる問題なのだ。

  高域はさわやかに鳴り渡り、余韻も多い。微小領域のリニアリティが良いのである。
2ウェイの損失感が感じられるようになった。2ウェイだと音が早く消えてしまう感じがある。

  


  結論

    1 マルチウェイの場合、損失の少ない高性能のケーブルが必要。

    2 フルレンジは聴きやすいケーブルを選ぶ必要がある。

    3 メーカー製アンプは物量の割にダイレクトな力感がないものが多い。これは結構謎
      である。

    4 信号のクオリティを決めるのはアンプである。ケーブルは味付けのようなものかも
      しれない。

    5 マルチウェイは大信号領域で良さを発揮し、フルレンジは小信号領域で良さを発揮
      する。良く言われていることだが、ダイナミックレンジはフルレンジのほうが全然広い。