共鳴管
このように空気室があるとローパスフィルターとして働きます。
定在波を起こすために端は固い板であることが必要な気がするので、このようなユニット配置
にしました。
ユニット位置はこのあたりだと共鳴による圧力がかかりやすいと思います。
音はゆったり出て、バスレフより純粋な響きです。
MFBをかけると低音は全然でなくなるようです。
したがってMFBをかけるのならバックロードを採用することになります。
背圧がかからない夢のバスレフに近いですが、バックロードなみに大掛かりになってしまう
のが欠点です。
課外学習
上図で物理的に意味を持つのは管の共鳴によってできた速度特性のディップであり、
山については特に意味はありません。
たとえば最初の山はスピーカーのfoとの関連でできたものであり、その他の山は干渉に
よりできているものです。ですから谷のすぐそばにできるのはあたりまえです。
fs=8500/113=75.2Hz
このように直管だと共鳴管のfsがあまり出ず、3fsがでるようです。一回折り返しだと、fs
が盛大に出ます。
coneについてはMFBによる制動がかかっています。
パイプの共振についてはMFBにより全くダンプされていないようです。
空気制動の様子を見る
MFBをかけずにエンクロージャーの影響だけみたもの(速度特性)。Qts=0.89。同出力レベル。
裸で鳴らすと素直な波形になります。80Hzにfoが出ています。箱をつけるとこのようにバネとも抵抗
ともつかないような効果が加わります。
60、80Hzではバックロード、共鳴管とも強力な制動のようなものがかかっているように見えます。
制動は少し遅れてかかり最後には制動慣性のような挙動も観察されます。
そのほかの帯域では、Qが増加したような波形になっていますから共鳴によるバネが加わっている
感じです。
したがってこのような構造だと共鳴管でも制動がかかる帯域があると考えられます。
バックロードホーンでも広い帯域制動を得ることは難しいと思いますが、どちらにせよMFBを併用
するわけですから、目くじらを立てるほどでもありません。
MFBがかかると制動慣性の影響は全く受け付けなくなります。
バックロードホーンでは唯一、七休氏のギガホーンでフラットな帯域制動が得られていますが、速度
波形をバースト波で見てみたいものです。