Introduction

   空気は密閉してしまえばバネとして働きます。そのことはゴムボールや注射器などで確認
することができます。

  一方、パラシュートでは空気は抵抗として働いています。運動方程式で速度に比例する力として
出てくるのをご存知の方もいるでしょう。

  このように空気を利用すれば、バネにも抵抗にもすることができますが、抵抗にするのは
少々工夫が必要です。


  パラシュートのように面積を大きく、空気が逃げにくい形状でオープンエアにすると、
抵抗として利用できそうです。

  そうすると最もシンプルな空気ダンパーはこのような方式になります。




  そうするとわざわざ共鳴しやすい直管にして、多量の吸音材をつめこむ方式は、
一見すると邪道のように思えますが、調べてみると空気式ダンパーとしては最も
くせの少ないフラットな制動が実現しているようです。

  吸音材なしでホーンのみの制動で速度特性フラットにするのはかなり大変なよう
です。

  そのあたりのことを12cmMFBユニットを用いながらこれから検証してゆきます。

  この実験では電磁制動がかかった状態での速度特性を見ることができますから、
各方式がどのように違うのか(バネなのか抵抗なのか、その周波数での過渡特性や
歪みはどうなのか、ダイナミックレンジは?)がこれでようやく明らかにされることにな
ります。

  アンプとアダプターはMFB−20のときと同じですから、追試する方はMFB入門
を参照してください。