駆動力と制動力

  この複雑な関係もこの図をじっとみることにより見えてきます。



    駆動力 f を大きくするにはどうしたらよいか。

 1   スピーカーのBLを大きくすること。そうすると同時に制動力も大きくなる。

 2   1/Zvを大きくする。そうすれば電流がふえることになりアンプの負担は増すが、駆動力は
     大きくなる。制動力もたぶん同じように大きくなる。

 3  Voが1/Zvの変動に影響をうけないようなアンプであることが必要。つまり電源が
    しっかりしているアンプなら駆動力も制動力も大きい。

 4  3はすなわちアンプの出力インピーダンスが低いことと同じである。

   どこをみても駆動力と制動力とは表裏一体となっている。


  負性インピーダンスアンプの場合はどうだろうか?



   電流正帰還は i  の変化が大きくなるよう作用するので、BLが大きくなったのと同じ
ことになる。

  1/Zmが変動したときもその変動を打ち消すように働くので、1/Zmが減少したとき駆動力
が増大する。

  これは電磁制動のときと同じだが、こちらのほうが補正できる量が大きい。

  このことから小さいアンプで駆動力、制動力にすぐれたものが作れる理由が生じる。