負性インピーダンスアンプのパフォーマンス
MFBがかかったといっても密閉箱の場合低音が減ったかなと感じるか、もしくはQ
のひとまわり小さいユニットに変えたかくらいの変化しか普通わかりません。
なのでMFBの効果を検出する方法をこれでもかというくらい案出してみましたので
供覧致します。
負性インピーダンスアンプを用いるだけで、スピーカーにMFBがかかる?そんな
馬鹿な。と思っている方は必見です。
調べるのはこのような1.1L密閉箱である。
密閉ではfoとQoがそれぞれ高いほうに変化する。
foc=190Hzになった。
これからおおよそのQを求めることができる。
負性インピーダンスアンプで駆動したときのQは以上のようにして求めることが
できる。(ここでRpはインピーダンスの山の高さから読み取る。)
低域周波数特性は4波バースト波で調べる。
電圧電流解析で、制御電圧が発生しているのを見る。
マイクで音をとり、その波形を調べる。音圧を調べるときはコサイン波を用いるほうが
良い。
200Hz4波バーストコサイン波
このように過渡特性の変化がよくわかるが、無理をすればこのようにQを推定する
こともできる。(コーン以外に主要な発音体がない密閉または裸ユニットの場合)
いかがでしたでしょうか。
このほかにも、前項で述べたようにスピーカー端子電圧をみればfsでの電圧ディップ
が観察されますし、検出抵抗を用いてスピーカーに流れる電流をみれば、fsでの谷がより
深くなる現象を確認するこができます(電磁制動の7参照)。
歪みについては、もともとの歪みが少ないためうまく観測できませんが、歪むところを
観測すれば改善される様子を見れるはずです。
結論
負性インピーダンスアンプでは、Qの低下、過渡特性の改善、fs付近での歪みの減少
という速度型MFBの特質が実際に観測される。
また電圧のふるまいを観察すればMFBであることが理解できる。
理論的考察でも速度型MFBとほぼ等価であることは示すことができるが今回は簡単な方法で
実際に観測してみた。検出コイルを用いる方法でやればもっとはっきりと観測することができる。