イコライゼーション4
電流アンプでよく使われるノッチ制御です。
電流アンプのときの特性
音圧特性
速度特性
80Hz ワンショット
巳波氏のフィルターを簡略化したものです。
110Hzのノッチフィルターです。
これを通すと以下のようになります。
音圧特性
速度特性
サイン波ワンショット
これを見る限り、電磁制動やMFBと全く同等です。 しかし・・・
前回のノッチ制御の最終的な波形を拡大すると、少し尾を引いているのが
見られます。
外乱の影響を見るために、入力をゼロにして、途中にショット波を入れてみます。
こうなるのは当たり前です。
次に速度型MFBで調べてみます。
帰還オープン
10kΩ
1kΩ
帰還を増やすとともに出力に現われる外乱は減少してゆきます。
MFBの場合の速度特性
帰還オープン
10kΩ
1kΩ
強力に速度特性フラットの状態に持ってゆけます。MFB−12Fでこのようなことを実際に
目にすることができます。
結論
ノッチフィルターなどのいわゆるフィードフォワード制御の問題点は、
1 外乱に対して無防備
2 電磁制動やMFBにはある歪みの低減機構がない
3 fs,Q,Reの変動に対して無対策
4 見かけ上Qの低減はあるが、蓄積されたfs共振には効果はない
この方式は位相回転のため深いMFBが不可能な真空管アンプ等の場合、過渡特性改善に
使えそうです。