18
 きゃべつ畑からはきゃべつの香りが 麦畑からは蜜の香りが

19
 これはへびの穴か もぐらの穴か

20
 雨の音風の音 蛙はいずこ 梅雨のあぜ道

21
 穂も濡れて色づきぬ 朝の小麦畑

22
 6月の陽射しを浴びて 麦わらとなりぬ


23
 土の恵み 水の恵み 雑草がたくさん

24
 人はみな 蛙となりて 水をよろこぶ

25
 緑の稲葉が 風にそよいでいる 夏の午後

26
 八月のビーチで 南太平洋の空が 私の心に宿った


27
 ぬかるみを 低空飛行してゆく 塩辛とんぼ

28
 コスモスとおぼしき若芽が ひろがる夏の畑

29
 雑草が伸び 道を間違える

30
 思い思いの姿で 朝寝をする カエルっ子たちよ


31
 月あかりのような 100Wの街灯

32
 犬の遠吠えと、虫の声に導かれ

33
 飛蝗 ぱっと飛んで 後ろ向きにとまる

34
 健康な葉っぱであるが 虫食いあり


35
 蛙ぴしゃりと飛びこみ 水面乱れて静まる

36
 歩くほどに 静けさが訪れ 虫の声に包まれる

37
 カチカチに 乾いた 土の道

38
 東京都のトは トラックのト

39
 子供の声がして あと3分


40
 天離る こうづけの野の 新橋の 

   春の水面に 風渡りぬる

41
 葉のざわめく音 鬱蒼たる森へ

42
 水面に風渡り 水鳥静かに流る

43
 陽光降り注ぐ 枯松葉の道


44
 道すがら見る 畑のそばの花園

45
 名もない水辺に 野鳥が住み

46
 雨上がりの畑に 白鷺が舞い降りる

47
 畑の道 田んぼの道 歩き巡る

48
 落ち葉を踏みしめ登る 熊笹の道


49
 野鳥雀 前方に展開して 飛び散る

50
 野道を抜け 田んぼの道へ

51
 ねこじゃらしが お出迎え

52
 落葉が舞い 空缶がころがる 冬の日の朝


53
 夜のパースペクティブ 夜のせせらぎ

54
 砂利の道が アスファルトの道に

55
 水鳥だらけ 蝶々だらけ

56
 きれいに耕されたばかりの 黒土

57
 このように日が落ちてくると 歩くのは少々危険である


58
 鳥の声がふりそそぐ 秋晴れの朝

59
 我田乳母 可多九奈里之 吾来参無之美知

60
 雪を渡る風は冷たし

61
 草枕 旅にしあれば 山背の

    宝ヶ池に 月かたぶきぬ






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