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きゃべつ畑からはきゃべつの香りが
麦畑からは蜜の香りが
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これはへびの穴か もぐらの穴か
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雨の音風の音 蛙はいずこ 梅雨のあぜ道
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穂も濡れて色づきぬ 朝の小麦畑
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6月の陽射しを浴びて 麦わらとなりぬ
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土の恵み 水の恵み 雑草がたくさん
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人はみな 蛙となりて 水をよろこぶ
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緑の稲葉が 風にそよいでいる 夏の午後
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八月のビーチで 南太平洋の空が 私の心に宿った
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ぬかるみを 低空飛行してゆく 塩辛とんぼ
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コスモスとおぼしき若芽が ひろがる夏の畑
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雑草が伸び 道を間違える
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思い思いの姿で 朝寝をする カエルっ子たちよ
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月あかりのような 100Wの街灯
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犬の遠吠えと、虫の声に導かれ
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飛蝗 ぱっと飛んで 後ろ向きにとまる
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健康な葉っぱであるが 虫食いあり
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蛙ぴしゃりと飛びこみ 水面乱れて静まる
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歩くほどに 静けさが訪れ 虫の声に包まれる
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カチカチに 乾いた 土の道
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東京都のトは トラックのト
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子供の声がして あと3分
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天離る こうづけの野の 新橋の
春の水面に 風渡りぬる
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葉のざわめく音 鬱蒼たる森へ
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水面に風渡り 水鳥静かに流る
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陽光降り注ぐ 枯松葉の道
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道すがら見る 畑のそばの花園
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名もない水辺に 野鳥が住み
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雨上がりの畑に 白鷺が舞い降りる
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畑の道 田んぼの道 歩き巡る
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落ち葉を踏みしめ登る 熊笹の道
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野鳥雀 前方に展開して 飛び散る
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野道を抜け 田んぼの道へ
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ねこじゃらしが お出迎え
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落葉が舞い 空缶がころがる 冬の日の朝
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夜のパースペクティブ 夜のせせらぎ
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砂利の道が アスファルトの道に
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水鳥だらけ 蝶々だらけ
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きれいに耕されたばかりの 黒土
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このように日が落ちてくると 歩くのは少々危険である
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鳥の声がふりそそぐ 秋晴れの朝
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我田乳母 可多九奈里之 吾来参無之美知
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雪を渡る風は冷たし
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草枕 旅にしあれば 山背の
宝ヶ池に 月かたぶきぬ
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