6L6GC三結定電流アンプ


電流の設定

  試しにカソード抵抗を大きくして調べてみましょう。



  アイドリングがやや減って、グリッドを−40Vから0Vまでドライブしたとき、プレート電流は
下図のように流れます。



  これでよいのでしょうか。そうではありません。

 −40Vのときにプレート電流がほぼゼロにならなければ無駄な電流が流れていることに
なります。



  そのためには、このような抵抗値にします。






  ゲインは無帰還で3.7倍になります。まあプリアンプがあるから大丈夫でしょう。

  設計はこれだけです。

  カソード抵抗が大きいのが気になりますが、信号電流はCを通るので、エネルギーのロス
はないと思います。


回路シミュレーション

  これで大体の定数を決め、部品を購入します。


  部品

出力トランス 1180  
6L6GC 750  
ソケット 300  
12AX7 1 1100  
ソケット 350  
LM317 120  
C3153 300  
電解コンデンサー 350V 47μF 330  
100V 220 μF 2 190  
フィルムコンデンサー  0.047μF 2 70  
酸金抵抗   5W 680Ω 2 55  
       3W  100kΩ 2 50  
       5W  33Ω 2 55  
        5W 100Ω 2 55  
炭素皮膜抵抗 1/4W 100k 1k 4 1  
4P キャノン ジャック  1 380  
トグルスイッチ 2 150  
ゼナーダイオード  25V 4 40  
ジョンソン ターミナル 4 90  
RCAジャック 170  

      合計   10634円

  シャーシ関係

レッドパイン集成材 1320  
カット代   80  
桧15x12mm 130  
1mmアルミ板 1100  
車用補修ラッカー   含めず  
シーラー   含めず  
サンドペーパー   含めず  
木工ボンド   含めず  

    3台分   2890円

   部品が1万円、シャーシが1000円という感じでしょうか。

 



  筐体製作中


  4つできてしまいました。

   完成之図



  LM317Tの損失は0.7W。通風口をつくり、放熱器もあったほうが良い。




   思ったより電流が流れないので、ゼナーをはずしました。カソード電流をそろえるために、
33Ωを47Ωに変更しました。1Ωは電流測定用です。

  音はもう聴きましたが、三極管接続は明るくきれいな音でした。定電流ONにすると、より
クリアーになり力強くなるのは本当です。 

  FE103Eで聴く限りその差は歴然です。半導体に近い鳴り方といっていいでしょう。

  ユーロで聴くと、静謐、深い音、チェンバロの低音がはっきり現われてちょっと驚きました。


2003.9.15