6L6GCシングルアンプ


  このような回路を考えます。




  R6とスクリーングリッド電圧を決めれば、動作点は決まります。ゼナーダイオードは24Vのもの
です。

  プレート特性図で確認しておきます。フルに出力をしぼり出すつもりはないので、見ておく
だけです。

  プレート特性図


  このようにシミュレータだとスクリーングリッド電圧も、自己バイアスでのカソード電位
の上昇も好きに設定できます。

  シミュレーションでプレート電流までは、かなり正確にでると思いますが、トランスの後
はあまりあてにはできません。参考のため一応出しておきます。













  このように位相補正






  C6の補正は理論的には変ですが、無いとピークができます。シミュレーターならではのやぶれかぶれの
設計法です。


 電源部の用意




  これさえあれば、大概のシングルアンプは実験できるでしょう。



  実回路







  できました。帰還ははずしてあります。陰影のある安定した音です。電圧は測れません。

  これ反転アンプかどうかよくわからないので、一回は発振を覚悟して配線しなければなりません。

  帰還を配線し、案の定発振させましたが、2次巻き線をいれかえてうまくゆきました。

  こちらのほうがふつうのアンプに近くなります。

 


  スピーカーを変更



  真空管アンプを研究するには、音の出口も実際の使用に即したものを使う必要があります。

 フォスでちょっと聴いてみましたが、音の出方は元気がありまあまあですが、雑味が感じられ、
これをなくすのはOTL(しかもDCアンプ)以外ではちょっと不可能なので、発振しないかどうか
FF85Kで確かめてからSEASの2ウェイで音の進化を聴くことにします。

  やっぱりといいましょうか、JVCの名録音アルバム、マウンテンダンスの良さを100%味わう
にはフォスと半導体アンプでなければだめなようです。日本にはいいものがあり幸せです。



  がしかし、こういったものでヨーロッパの本場の音楽を聴こうとしたら恥をかくだけです。
スピーカーはヨーロッパ生まれのもの、アンプは真空管アンプを用いなければヨーロッパ
そのものが持つ暗い雰囲気を醸し出すことは不可能に近いのです。

  その道を極めた人なら真空管もヨーロッパのものでなければと言うに違いありませんが、
ま、ここの話は入門のようなものと思ってください。

  真空管もトランスも電子部品でありながらすでにエフェクターとしての効用があることが
認められています。それをいうならスピーカーも純粋なトランスデューサーとは程遠いもので
あると言えます。もし無歪み半導体があればそれが唯一エフェクターの要素を持たない電子
部品なのです。