あとがき

  最近PRA2000ZRとHMA9500IIの黄金コンビを休ませて、PRA2000と自作パワーアンプの組み合わせで、
 聴いている。

  PRA2000とHMA9500IIだと鮮度が物足りないのだが、これはPRA2000のフラットアンプがいまいちなので、
 長岡鉄男もイコライザー、自作アッテネーター、HMA9500IIで鳴らしていた時期があったようである。

  私の場合は自作パワーアンプを用いると鮮度は問題なくなるので、上記のようにしているのである。

  低音の質が変わるし(ちょっとボコボコする)、高域も面白い色づけを感じるが昔のコンポのようでなにか懐かしい。

  ビリージョエルのピアノマンのLPなどを聴いているが、昔の頃のようで楽しい。


  このホームページではいくつかの事柄を示すことができたのでほぼ満足している。

  一つ目は、

     バックロードホーンでは、4波が揃って立ち上がるという波形データ

   二つ目は、

     アンプの素子によって音が変わり、それがスピーカーの音圧特性にも現れること

   三つ目は、

     素子の直線性の良い動作のさせ方でアンプを作る方法(完全アンプ、電流演算接続)

   四つ目は

     電流正帰還でバスレフをコントロールする技術

   五つ目は

     速度負帰還を用いれば、強力磁気回路を用いなくともそれを凌駕する結果が得られること


  まだまだたくさんあるが、これだけわかれば安心してバックロードで音楽を楽しむことができそうである。

  また昔のように音楽を楽しもうと思う。


  Nifty時代から計算するとこの活動には正味で10年ほど費やされている。オーディオの世界にこのような
知的な楽しみがあったことは一種の驚きであるが、バックグラウンドには秋葉原、IT革命、日本の伝統文化が
深くかかわっている。

  またそれらを育んだものは、太平洋から毎年もたらされる過剰な水であることをしみじみ思っている。あるいは
海という天然の障壁であるとも思う。

  余剰な水が無ければ高度な文化は生まれず、完璧な障壁が無ければ生まれた文化は破壊される。

  驚くような文化は極端な不平等から生じることが多いので、これからはほどほどの文化しか生まれる
ことは無いと思う。

  (了)