スワン風なバックロード
このニホンのサムライのようなユニットを用いて、いよいよスーパー
スワンが製作されます。
このようなカラーリングはできるでしょうか?
文献は、
1)FM fan 1992年No.12(共同通信社) に本格的な製作記事が、
2)こんなスピーカー見たことない(音楽之友社) に図面だけのっているようです。
さてなかなか進まない理由は作っても置く場所がないということなので、さりとて
気に入っている20cmバックロードを処分するのもなんなので、と堂々巡りしている
わけです。
そこで新設計でもっとコンパクトにできないかと試みたのがこれです。ヘッドだけ
スーパースワンとコンパチブルです。ユニットは特性をみるためMFB−12Fを使い
ますが、あとでFOSTEX版も考えます。
コニカルを組み合わせてエクスポーネンシャルに近いホーンにしました。中高域もれ
が多い構造なので後方開口は必然です。
共鳴管+ホーンのような構造なので共鳴ホーンと呼ぶのがいいかもしれません。
したがって吸音材をいれればTLSのように低域過渡特性が向上すると予想されますが
いまのところその必要性は感じません。
速度特性を見るとMFBのおかげでまっ平らになっています。
こういう速度特性は仮にFE108Sの磁気回路を3倍にして、無限長エクスポーネンシャル
ホーンをつなげたとしても実現不可能と思います。
音はまだ誰も聴いた事のない異次元ワールドの音です。
ソフトを試聴
(別名 空気ボウフラ)
アンプはKenwood R-SG7で同じアダプターを用います。ここに自作アンプを使うとどうなるの
だろうと思う人があるかもしれませんが、その必要はないくらいの音がしています。Q=0.1で鳴るス
ピーカーは透明度がものすごいためと思われます。
製作途中からユーミンの飛行機雲を鳴らしてエコーの多さに感心していました。高域がよく伸びて
くせがなくきれいなのはすでに判っていました。
2chできてからはベースの量感が確保されていることを確認しました。
歪み極小の上、かるくストレスなく鳴るのでヘンデルのハープ協奏曲をいままでにない、いい感じで
聴けます。ドボルザーク8番の切れ味の良いトロンボーンもこれなら望むように鳴るかもしれません。
夏川りみを聴いていてふとひらめきましたが、これならカーペンターズも抜群にいいと思い、かけて
見ました。まるで降臨したかのような音なのであとでゆっくり聴きましょう。
フランツ・リストの十字架の道行をかけ、その真価を確かめました。マウンテン・ダンスもかけて、
これならAXIOM80をパフォーマンスでも音質でも超えているなと、そのときはすでにそう思いました。
しかしこのことは暫く秘密にしておかなくてはなりません。
MFB-12Fのほうはカブトガニアンプでも発振せずに鳴ることがわかったので、いよいよFE108S
版を検討してみます。これでサンスイのMOSアンプを用いるほうがずっと一般的です。
さてFE108Sのパフォーマンスを予測するには速度特性を比べてみるのが良いでしょう。
それにはQtsを調べてみます。
Qts=0.13これがMFBにより駆動力が強大化した姿であるといえます。こうしてみるとすざまじい
ものがあります。
Qts=0.18! FE108Sもひけをとらないようです。さすがMFB出現前の時代のフルレンジの頂点
だけのことはあります。
(つづく)